「算術者の不身代」ということわざを知っていますか?
算術者というのは、今で言うところの数学者や数学の先生のことです。
そういう職業の人をことわざに用いて、何を伝えたかったのでしょうか。
「算術者の不身代」の意味や使い方について解説します。
「算術者の不身代」とは
「算術者の不身代」とは、
職業と実際の生活は一致しているわけではない。
という意味のことわざです。
算術者とは、数の計算が得意なはずですよね。
それなのにお金の使い方や節約に関しては無頓着で、計算が得意なはずなのに貧乏したり、借金をして生計を立てていることがあるからです。
不身代というのは、財産と呼べるようなものを持っていないことをいいます。
「算術者の不身代」と似ていることわざ
「算術者の不身代」のようなことわざは他にもあります。
例えば、
「医者の不養生」です。
医者は、患者の身体のことばかり気にしているのに、自分自身の健康を気にかけず、不摂生をして病気になったり、早死してしまうことがあるので、「医者の不養生」ということわざが生まれたのでしょうね。
他にも「占い者の身の上知らず」というのもあります。
占い師は、人のことはよくわかるのに自分自身のことは見えていないという皮肉たっぷりのことわざです。
算術者や医者、占い師は誰でもすぐにできる職業ではありません。
それなりに勉強したり、修行しなければできない職業です。
そういう専門的な職業の人ほど、日常の生活に仕事を生かせていないので、仕事だけじゃなく自分自身の生活にも、もっと意識を高めなければいけないということを伝えているのでしょうね。
「算術者の不身代」の使い方
「算術者の不身代」の使い方を例文で見てみましょう。
今度、部屋に遊びに行っていい?
うん、構わないよ
食材買って行くから、一緒に夕飯作ろう
え?うちで食べる?
せっかくだもん、そうしようかと思って・・。
ダメかな
ダメっていうより、自炊ほとんどしないから、調理道具がないんだよね
ウソでしょ!
だって、プロの料理人なのに自炊しないなんて
仕事で毎日やっているから、家に帰ってまで自分の食べるものをわざわざ作りたくないんだ
そういうもんなんだね。
でも外食やお弁当だけじゃバランス偏りそう。
身体を壊さないように気をつけないと
うん、ありがとう
「算術者の不身代」って言うけど、仕事と実態はリンクしないってことを身をもって示しちゃった感じ(笑)
自分のために作りたくないのはちょっとわかる気がするけど、まさか調理道具もないとは思わなかったからビックリしたよ
こんな会話の中で使えると思います。
まとめ
「算術者の不身代」のように、職業としていることが実生活に生かせるとは限りません。
ですが、せっかく仕事にしていることなので、自分のためにも役立てられるようにしないと勿体ないと思うのは私だけでしょうか。