げきをとばす!とは、気合いを入れるとか、励ます時などに使われることがあります。
例えば野球の試合などで、エラーが続いた時などに監督から「げきがとばされた」なんて使ったりしています。
しかし「げき」ってなんのことでしょう。
なぜ「げき」をとばすことが気合いを入れたり、励ます時に使われるようになったのか、調べてみました。
げきとは?
げきをとばす!の「げき」とは檄という字で書きます。
檄とは何に使うものなのか調べてみると、もともとは人に知らせる時に木札にその旨を書いたものです。
木札がもとになっているので、檄という字を書くわけです。
檄を飛ばす!とは
檄を飛ばすというのは、戦の場面などで使われた言葉です。
戦場で仲間に戦術を知らせる時などに「檄を飛ばして知らせる」などと言っていました。
戦国を舞台にしたドラマや映画を見ていると、戦の指揮をとる大将に「殿、お檄を~」と指示を求めるような場面があります。
告知する、知らせる、指示するという時に「檄を飛ばす」というのが正しい使い方なんですね。
檄を飛ばす!が誤用される理由
「檄を飛ばす」という慣用句の本来の意味を知ると、なぜ今のように激励する時や気合いや喝を入れるような時に使われるようになったのか不思議ですね。
なぜ間違って使われるようになったのか、きっかけはわかりませんが、予想はできます。
一つは、激励の激と間違ってしまったのでしょう。
激励の気持ちを送る意味と混同してしまったのが有力な説です。
二つ目は、戦場で指揮官から檄が飛ばされたことで奮起して、一気に戦いが始まることから、檄が飛ばされると気持ちを奮い立たせて戦うので、気合いを入れさせる言葉だと勘違いして使われるようになったという説もあります。
檄を飛ばすと同じような慣用句として、「発破をかける」とか「尻を叩く」というのは間違いです。
「発破をかける」や「尻を叩く」はまさに気合いを入れたり、激励したりする時に使うのが正解です。
檄と同じ意味
檄を飛ばす!と言う言葉は、耳で聞くと確かにインパクトが強いので、激励の意味と間違えやすいのもわかります。
檄という木札を使うこともなくなった今の時代では、
・通告する
・通知する
・発布する
・告知する
・指令を出す
・支持する
このような言葉の方が間違えることなく使えるでしょうね。
上から下の立場の者に知らせることを「達し」ということがあります。
これは官から民、上官から下官へ知らせる場合に使うので、同じ立場の人同士の間で知らせる時には「達し」というのは使わないので、これも間違えないようにしましょう。
まとめ
スポーツの試合などをテレビで観戦していると、解説者が「檄を飛ばす」の意味を間違えて使っていることもあります。
世の中にそれほど広まってしまったので、間違えてしまう人がいるのも仕方ないですね。
でも意味を知ったからには、これからは注意していきましょう。