思春期の子供たちが不良になることを「グレる」と言いますよね。
「○○さんとこの子、最近グレたみたい」とか。
「グレる」という言葉の意味は、幅広い世代に認識されていますから、意味はみんな理解できると思います。
ですが、なぜ「グレる」というのでしょうか。
同じような意味の「非行に走る」や「不良になる」は語源の疑問を感じませんが、「グレる」は語源に疑問を感じます。
「グレる」という言葉が生まれた由来を調べてみました。
「グレる」の語源とは
「グレる」とは、正しい道から外れてしまうことです。
非行少年、不良少女などと同じく、悪い道に入ることを「グレる」と言います。
語源を調べてみると、蛤(はまぐり)を逆にした「ぐりはま」が変化した言葉だと言われています。
蛤という二枚貝は、他の貝の殻とは合いません。
それが夫婦円満をイメージさせるので、おめでたい席の料理などに出されたりします。
ですが、ひっくり返すと合いません。
当たり前のことなのですが、物事が食い違って合わないことを「はまぐり」を逆にして「ぐりはま」と言っていたのです。
それが長い年月の間に「ぐれはま」に変化していきます。
さらに、話が食い違ったりすることではなく、正しい道から外れることにも使われるようになります。
そして「ぐれはま」の一部だけが残って道から外れて不良になることを「グレる」と言うようになったのです。
それほど古い言葉のイメージではありませんが、じつは江戸時代にはすでに使われていたそうです。
「グレる」の語源になった蛤を使った言葉
二枚貝は蛤の他にもあさり、しじみ、ほたてなどおなじみなものが沢山あります。
その中でも蛤はことわざや慣用句に使われやすいようです。
蛤を使った言葉を見てみましょう。
雀、海に入って蛤となる
雀(すずめ)が海に入ることはあり得ないことです。
このことわざは、思いがけないことが起こるという意味です。
内では蛤、外では蜆
家の中では大きな態度でいるのに、外に出ると途端におとなしくなることです。
蜆(しじみ)は蛤と比べてとても小さい貝ですから、対比をわかりやすく伝えるのに使われたのでしょう。
畑に蛤
蛤は海のものなので、畑では手に入りません。
このことわざは、方法を間違えれば、目的のモノを手に入れることはできないという意味です。
まとめ
「グレる」の語源がまさか蛤だったなんて思わないですよね。
カタカナ英語からきていると思われがちなのですが、江戸時代から現在と同じような意味で使われていたのです。
まさかそんなところに由来があったとは!と驚くような意外な語源でした。