繊維を束ねた細長い形状のものを「綱」とか「縄」とか「紐」と呼びます。
縄跳び用の縄、靴の紐、綱引きの綱など、何気なく使い分けていますよね。
「紐」と「綱」と「縄」の違いと言えば、やはり太さだと思います。
では、それを区別するためのルールはあるのでしょうか。
同じ形状のものなのに違う言葉があるのですから、何かはっきりとした区別の決まりがあるのか調べてみました。
紐とは
「紐」といえば、靴紐のような細いものを思い浮かべますよね。
紐は糸を束ねて組み合わせたものです。
着物の帯締めなどに使われたりするのも組紐という細い紐をさらに編むように加工したものです。
細い糸を束ねただけの細長いものも紐と呼びます。
ハサミで簡単に切れるくらいの細さのものを「紐」と呼びます。
縄とは
「縄」といえば、縄跳びを連想すると思います。
縄跳びに使われるのは、紐と呼ぶには少し太いものです。
紐を組み合わせて少し太くしたものを縄と呼びます。
強度としては、紐よりは切れにくいとしても、ハサミやカッターを使えば切れる程度のものです。
縄を英語に訳すとrope(ロープ)なので、「ロープは簡単に切れないくらいの強度があるのでは?」という疑問も湧きます。
ですが、少し苦労しても刃物を使えばロープだって切れますから、そこはあまり気にしなくても良いのではないでしょうか。
綱とは
「綱」といえば、運動会などで行う綱引き競技に使われるような太いものをイメージしますよね。
大人の手でも足らないほどの太さの綱を使いますから、綱は太いものです。
さらに太さだけではなく、強度の点も重要なポイントになります。
綱引きの他にも、綱といえば命綱があります。
命綱はその名の通り、命を守るための綱のことです。
建築現場などで作業する人は、安全帯というベルトを腰に付けますが、そのベルトには命綱が付いています。
先端にフックがあり、それを手すりなどにかけて落下した際に命を守るための装具です。
つまり、「綱」は紐や縄のように簡単に切れては困るので、強度の高いものを表すのです。
使い分ける定義は
紐と縄と綱の区別は2通りあることがわかります。
1つは太さです。
紐が一番細く、次に縄、そして綱という順番です。
そして強度では、紐→縄→綱という順番になります。
紐でも縄でも綱でも、素材の違いでは区別しません。
麻、綿、絹、藁などの自然素材で作ったものでも、ナイロンなどの化学繊維で作ったものでも、太さと強度で見分けます。
ただ、太さと強度の定義がはっきり決まっているわけではありません。
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まとめ
紐と縄と綱の違いは、太さと強度で分かれるとしても、「直径何センチ以上が綱」などのルールはありません。
ということは、「紐にしては太いけど縄かな?」とか「綱というほど丈夫そうじゃないけど、縄にしては太いかな?」と微妙な境目にあるものは、迷ってしまうのは仕方ないのではないでしょうか。