「素敵なカップね。アンティークなの?」とか「すごく使い込んだ感じでヴィンテージっぽさがカッコイイ」などとよく耳にする「アンティーク」と「ヴィンテージ」という言葉。
どちらも「新品」の品物を指す言葉じゃないことはわかりますよね。
新品をあえて古びた感じに加工させることを「ヴィテージ加工」と呼ぶこともあります。
新品なのに昔の雰囲気を感じさせるようなものに対しては「アンティーク調」などと呼ぶこともあります。
何となく、オシャレな言葉として意味もわからないまま使っている人が多いと思うので、「アンティーク」と「ヴィンテージ」の意味や違いをチェックしてみましょ。
よくある間違い
「アンティーク」と「ヴィンテージ」の違いについて、周りの人に聞いてみるだけでも、いかに曖昧なまま使われているかわかります。
たとえば私の周りの人では「アンティークは食器とや家具のことで、ヴィンテージは古着とか中古のバッグや靴のことなど」という感じで使っていました。
このような違いではありません。
また、「アンティークはフランス語でヴィンテージは英語。どちらも古いものという意味」として使っている人もいました。
どちらも間違いなのですが、何となくそういう感じで使う人もいるのでしょう。
このような間違いが多いようです。
アンティークとは
アンティークのもともとの意味は古代の文化でした。
古代の美術品や文化的な品物を示す言葉だったようです。
それがいつしか骨董品や古美術など、古い道具や美術品のことを表す言葉となりました。
日本でも古いものを扱う骨董品店や古美術商がありますが、最近では海外の古いものを扱うお店のことをアンティークショップと呼ぶようになっています。
ヴィンテージとは
ヴィンテージは、ワイン生産から生まれたのが語源です。
ヴィンテージワインと呼ばれるのは、特定の年代に収穫されたぶどうを使って作られたワインを指しているのです。
そこからある年代に作られた品物に対して使うようになりました。
たとえばギターやヴァイオリン、ジーンズに対して「ヴィンテージ」が使われます。
同じメーカーの製品でも、ある年代に作られたものに特別な価値が付けられると、その年代に製造されたものを「ヴィンテージ」と呼ぶのです。
何となく古いものという使い方をするのは、本来のヴィンテージの意味とは違うのですが、広くそう認識されて使われるようになったので、「年代モノ」という意味として使うのは間違いではありません。
アンティークとヴィンテージの違う点
「アンティーク」と「ヴィンテージ」は、もともとの意味が違うのですが、まだはっきりとした違いがわかりにくいと感じる方もいらっしゃるでしょう。
そこで、もっと明確な違いがないのか調べると、製造されてからの年月の違いがありました。
「アンティーク」は製造されてから100年以上の年月が経過しているものです。
一方の「ヴィンテージ」は製造されてから100年未満のものでも、特定の年代に製造されたものです。
ヴィンテージは、製造されてすぐに特別な価値が付けられるわけじゃないのですが、作られてから数十年でヴィンテージと呼ばれるものがあります。
アンティークと呼ばれるものは、100年以上前のものという定義があるので、その点の違いがわかればハッキリしますね。
まとめ
日本人の悪い癖なのかも知れませんが、ちょっと新しいカタカナ言葉をおぼえると、深い意味も知らないまま使いたくなるのですよね。
アンティークもヴィンテージも、古いモノに対する価値が理解できないと、正しく使い分けることはできないのですが、オシャレな言葉として使われるのが当たり前になってしまったのでしょう。