うちのベランダは広いから洗濯物がたっぷり干せるのよ。
うちにはお花を並べやすいバルコニーがあるのよ。
こんな会話を耳にしてしまうと、「ベランダとバルコニーって何がどう違うのよ」と疑問に思ってしまいます。
建物に関しては、もともとの日本家屋ではない建築物が多くなっているので、様々な名称が出てきて混乱してしまいます。
ベランダとバルコニーの違いはどこにあるの?と聞かれてもハッキリ答えられる人は少ないのではないでしょうか。
というわけで、ベランダとバルコニーの違いを調べてみました。
ベランダとは
ベランダとは、家の外側に出た部分で、屋根がついています。
ベランダと呼べる基準になる規則があるわけじゃないのですが、建築業界や住宅業界では「ベランダ=屋根付き」というのが常識となっています。
屋根がなくてもベランダと呼んでいる人が多いと思いますが、窓から外に出た部分のことはベランダと呼ぶのが一般化していますね。
バルコニーとは
バルコニーもベランダと同じく、家の壁から外側に張りだした部分のことです。
屋根がついていないので、そこがベランダとの違いです。
ベランダに屋根がついているのは、洗濯物を干したり、植物を育てたりするために雨や霜から守るためです。
一方のバルコニーは屋根がないので、使い方としてはよくわかりません。
草花に日光を浴びさせるためのスペースというくらいしか思いつきません。
つい最近、久しぶりにシェイクスピアの「ロミオ&ジュリエット」を観劇しましたが、ジュリエットがバルコニーから「嗚呼ロミオ、なぜ貴方はロミオなの」という有名なセリフを言う場所こそバルコニーです。
たしかに、屋根のあるベランダからジュリエットが愛の言葉を発する舞台なんて観たことありません。
テラスとは
ベランダやバルコニーと同じように、建物の外にあるスペースとしてテラスというのがあります。
テラスは屋根の有無ではなく、1階にあるかどうかの違いです。
集合住宅のベランダやバルコニー
戸建の持ち家の場合は、ベランダもバルコニーもテラスも全て自分のスペースです。
ですが、マンションの場合は購入した部屋でもベランダやバルコニー、テラスは共有スペースになるのです。
団地や賃貸マンションは当然ですが、分譲マンションを購入した場合でも?と不思議に思いますよね。
ベランダやバルコニー、テラスに出るためには自分の部屋から出入りするしかないとすれば、共有スペースというのは納得できないのではないでしょうか。
ですが、ベランダやバルコニーには緊急時の非常通路という役割もあるのです。
ベランダやバルコニーの仕切りは、いざという時には破れる素材を使っています。
もしも部屋の中で火が出て逃げ場を失ってしまった場合、ベランダやバルコニーから隣の部屋や階下など避難できます。
そのような使い方があるので、ベランダやバルコニーを勝手に作りかえたりするのはルール違反なんです。
マンションを所有している方は、もう一度しっかり契約書を確認して、ルール違反になっていないかチェックしてみると良いですね。
ベランダを日本語にすると?
ベランダやバルコニーという呼び方が定着していますが、そう呼ばれるようになる前にも、家の外に張り出している部分があったはずです。
江戸時代でも2階建ての家屋はあったでしょうから、2階部分ベランダやバルコニーのようなものを設置した家もあったでしょう。
そういう場所のことをどう呼んでいたのでしょうか。
縁側という呼び方もありますよね。
ですが、なんとなく縁側は1階部分の部屋の外の廊下部分をイメージします。
縁側でも間違いではないのでしょうが、しっくりしません。
戦後の日本の住宅事情は激変して、首都圏では大規模な団地が増えました。
その頃からベランダという呼び方が一般的に広まっていったようですが、それまでは2階部分のベランダのことは「物干し場」と呼ぶことが多かったようです。
これが正解なのかわからないのですが、数人のご高齢の方に聞いてみた結果です。
まとめ
ベランダとバルコニーの違いは屋根があるかどうかという一点で見分けられます。
明確な規定がないのですが、不動産業界や建築業界では定着しているのです。
線引きするポイントには違和感もありますが、長い間にそういう分け方になっていったのでしょう。
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