押忍!(おす)というのは挨拶として正しいの?語源はある?

ことばの雑学

空手や柔道など、武道をしている人達の間で「押忍」という言葉なのかよく分からない挨拶的なものがあります。

応援団でも「押忍!」ってまるで掛け声のように使っていますよね。

テレビのバラエティ番組で見たことがありますが、空手家たちの会話はほとんどが「押忍!」だったのには思わず笑ってしまいました。
押忍だけで会話が成り立つんだ・・って。

押忍(オス)っているのは勇ましい感じもしますが、意味不明ですよね。

押忍とは挨拶なのか、それとも単なる発声なのでしょうか。

空手などの武道と何か関係があるのか調べてみました。

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押忍の語源とは

押忍の語源を調べてみると、ナント!!
ただ「おはようございます」を略しただけだったのです。

おはようございます。という挨拶を何度もするうちに「お」と「す」だけになってしまったというのです。

何とも荒い話ですが、使いはじめたのは男子大学生と言われていますので、やはり応援団とかがルーツなのかも知れません。

空手の試合の時にあんなに「押忍」を連呼しているのに、まさかの「おはようございます」とは驚きです。

なぜ押忍という文字になった?

「おはようございます」という挨拶を略して「おす」というようになったのに、なぜ「押忍」という漢字になったのか、その理由も調べてみました。

すると、その理由もまた手荒いというか、適当というか・・。

「おはようございます」を「おす」と略すようになったのちに、誰が言い出したのかわかりませんが、せっかくだからカッコ良い漢字を付けよう!ということになり、「押忍」となったそうです。

単なる当て字なので、押忍という文字の意味はほとんどありません。
ただ、上下関係の厳しい応援団とか武道の世界でよく使うので、押されて忍ぶ・・というような意味を込めて考えたのかも知れません。

でも、ただカッコ良いから・・という理由で漢字を当て字してしまうのは、昔のヤンキーたちがI Love youを愛羅武勇と当て字したのと発想は同じような気がしてしまいます。

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空手では押忍の精神の教えがある

押忍の由来、語源について調べているうちに、そんな安易な感じで生まれたのに、なぜ空手の世界では「押忍」を試合の時まで使い、大切にしているのかさらに不思議に思いました。

すると押忍という押して忍ぶという文字が表現する空手の精神があるので、空手家の間では「押忍」をとても大切にしていることがわかりました。

空手の世界では、「はい」とか「わかりました」「ありがとうございます」「よろしくお願いします」などは全て「押忍」で統一しているそうです。

空手では、「押忍」という挨拶には尊敬と感謝と忍耐という3つの精神を込めているのです。

始まりは単なる略語だったのに、それが空手の世界では守るべき精神として大切にされているのですね。

まとめ

押忍!とは使う人の気持ちによってはただの挨拶になったり、掛け声できな感じにもなります。

でも空手など真剣勝負の世界で押忍を使うのには、深い精神が根底にあるので、ただの挨拶なんて軽く考えてはいけないことがわかって良かったです。