手土産を渡す時に、「つまらないものですが」というのはマナー違反だって聞いたことありませんか?
つまらないものを持ってくるなんて、失礼なことでしょ!というのを大人のマナーとして聞いたことがあります。
テレビでマナーを教える先生が言っていたと記憶しています。
それを聞いてからは、「つまらないものですが」は使わなくなりました。
実際にマナー本などでは、「つまらないものですが」は失礼にあたると書かれているのです。
では、なぜそんな言い方をしたのでしょうか。
つまらないものですが・・の意味
つまらないものですが・・と言って手土産などを渡すのは、昔はマナーとして正しかったのです。
現代では、「つまらないもの」を人に渡すことが失礼だということばかりが強調されてしまい、マナーとしてNGだと言われるようになりました。
しかし、もともと使っていた言葉なのです。
「つまらないものですが・・」と言ってから物を渡すのは、相手に対してへりくだる意味がありました。
本当は「つまらないものですが・・」にはこんな意味が隠されています。
あなたに喜んでもらいたくて、とても素晴らしいものを持参したのですが、あなたの前では大したものではないように見えてしまいます。
それほどあなたは素晴らしい御人なのです。
という褒め称える意味を込めて、わざわざ持参した手土産に「つまらないものですが・・」とへりくだった言い方をしたのです。
何とも日本人らしいのですが、今はそれが伝わらなくなってしまったので、相手に失礼な印象を与える恐れがあるので使わない方が良いと言われるのです。
つまらないものですが・・を使わない相手
マナーとしては間違いじゃないけれど、「つまらないものですが・・」を使う相手として身内や親しい間柄にはNGでしょう。
相手を褒めちぎるための言葉を、身内同士で使っていたら変ですよね。
相手に対してへりくだる間柄でもないのに「つまらないものですが・・」を使ったら、ほんとにつまらないものを持ってきたことになってしまうので気をつけましょう。
つまらないものですが・・に代わる言い方
昔は当たり前のように使っていた「つまらないものですが・・」は、その意味を知る人が少なくなれば、やはり使いにくいものです。
現代マナーとしては、NGと伝えている人がいるので使わない方が無難なのかも知れません。
では、手土産を手渡す時にはどう言うのが正解なのか、「つまらないものですが・・」に代わりに使える言葉を身につけておきましょう。
「ほんの気持ちです」
「ささやかなものですが」
「大したものではありませんが」
このような言い方が一般的です。
手土産で会話を広げられるように、
「近所で評判のお店のお菓子なんですが」
「みなさんで召し上がっていただきたくて」
「以前いただいた時にとてもおいしかったので」など。
具体的にお菓子の名前などを出してもいいので、相手のことを考えて選んだものだということを伝えるようにすると喜ばれると思います。
手土産を包む時に使う風呂敷の語源についてはこちらから。
まとめ
つまらないものを人に渡すことが失礼だと言われて、妙に納得していました。
でも、昔から使っているのですから、やはり意味があったんですね。
ホントマナーとしてNGどころか、最上級の敬語なのですから、ちょっと使ってみたくなりますが、相手に伝わらないとコワいので、やめた方がいいでしょうね。