お中元やお歳暮などを贈る時や、手土産を渡す時などに「どうぞご賞味ください」と言っている人がいますが、そのマナーは正しいのか、考えたことありかすか?
なんかお店の人みたいで違和感がある
そうかな、マナー違反になるのかな
つまらないものですが・・って言うのはダメって言うでしょ
ああ、そういう人もいるけど、じつは正しいらしいよ
え~~、もう何が何だかわかんない
そうなんですよね。
「つまらないものですが」というのは間違いという説もありますが、じつは間違いではなく、あなたの前ではどんな高級なものもつまらないものに見えてしまうという遜った言い方なので、礼儀としては間違いではないそうです。
「あなたのような方のお口に合うものだとは思ないのですが、どうぞお受け取りください。」という、ものすごく遜った表現なのですよ。
贈り物を手渡す時のマナーは、とても複雑でわかりにくいものです。
「どうぞご賞味ください」って、丁寧な言葉で手渡しているような印象がありますが、じつは間違いだったら大変です。
ホントのところはどうなのでしょう。
ご賞味くださいは間違い?
食べるものを手渡す時に「ご賞味ください」という意味で言っているとしたら、それは間違いなんですって。
贈る側から「美味しいから食べてね」と言って渡すのは、ちょっと押しつけがましい感じがします。
正しくは、「どうぞご笑味ください」と言って渡すのが正しいマナーです。
とはいえ、読み方は同じですから、口頭で伝えて渡す場合は「ご賞味ください」なのか「ご笑味ください」なのか相手にはわかりません。
ですから、こちら側の気持ちが伝わるかどうかがポイントです。
「ご笑味ください」とは、どうか楽しん食べて欲しいという贈る側の願いが込められています。
笑って味わってくだされば、私も嬉しいという気持ちを込めた言葉なんですね。
「ご賞味ください」でも、美味しいものを選んで贈ったのだから、絶対にタブーではないと思いたいのですが、マナーとしては「ご笑味ください」が正解のようです。
賞味とはどんな意味?
賞味とは、いわゆる賞味期限でもおなじみですが、美味しく食べるという意味です。
賞味期限は、消費期限とは違って、まだ食べることはできるけれど、美味しく食べるのなら期限内に食べて欲しいということをわかりやすく表示する目的で設定されています。
実際には賞味期限から大幅に過ぎていても、別に味に問題なく食べられるインスタント食品も数多くあります。
最近では、賞味期限を表示することで、まだ食べられる食品が廃棄処分される食品ロスが問題になっています。
このような食品ロス(フードロス)問題を解決するために、賞味期限切れの商品をあえて格安で販売するお店もあります。
一般の消費者にも、お店ではできるだけ賞味期限の短いものから購入してもらえるように呼び掛けてもいますね。
賞味期限が切れていても、たいして味には影響はないのですが、食品メーカーとしては、美味しく食べてもらえる期限を示すことが重要だと考えたのでしょう。
ということで、賞味とは美味しく食べる意味なのです。
手渡しをしない時は注意しよう
相手の顔を見て手渡す場合は、ぶっちゃけて言えば「ご賞味ください」でも「ご笑味ください」でも同じ音なので相手にはわかりません。
ですが遠方に送る時に手紙などを添える場合は、メールで贈ったことを知らせる場合などは注意しないといけません。
文字にしてしまうと、「ご賞味ください」と書いてしまいがちです。
日常的に賞味期限の表示で目にしているので、ついそうなってしまいます。
言葉として発する場合とは違い、文字にすると「ご笑味」ではないのがはっきりわかってしまうので、くれぐれも気を付けたいですね。
あくまでも「ご笑味ください」が贈り手の正しいマナーということをおぼえておきましょう。
まとめ
礼儀作法は日本人としてはしっかり身につけておきたいのですが、とても複雑でややこしいことが多くて、勉強しても追きません。
迷うことも多いので、確かめながら正しいマナーを身につけていきましょう。