【世間知らずの高枕】ということわざってある意味では幸せなことでは?

ことわざ・慣用句

世間知らずって言われるのは嬉しいことでしょうか?

世の中のことを知らないということは、良いこととは言えないので、世間知らずと言われて喜ぶ人はまずいないと思います。

ですが、世間知らずの高枕ということわざは、必ずしも悪い意味ではないような気がしてきました。

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世間知らずの高枕の意味は?

世間知らずの高枕とは、世の中に起こっていることを知らずに、世間のことを気にすることなく呑気に暮らしているという意味です。

高枕は、枕を高くして寝ることで、意味としては「安心して寝る」ということです。

何か心配事があって夜もおちおち寝られなかったけど、その心配事が解決した後に「やっと枕を高くして寝られる」といいます。

世間知らずの高枕は、のんびり暮らしている人に対して使うのですから、ある意味では羨ましいと思いませんか?

世間のことを気にしないで生きられたらどんなに幸せだろう・・。

現代人の多くがそう思っているのではないでしょうか。

そう考えると、世間知らずの高枕は憧れです。

世間知らずは誉め言葉でもあった?

世間知らずのお坊ちゃんと言われると、甘やかされて育ったわがまま息子を思い描いてしまいます。

しかし世間知らずのお嬢様と言われると、とても大切に育てられた純粋無垢な女の子を思い描いてしまいます。

同じ世間知らずでも、その後に続くのがお坊ちゃんとお嬢さまとでは、受け取る側のイメージが大きく違うのですよね。

今でこそ女性もどんどん社会進出することが望ましいと言われていますが、戦前の日本は女性が働くこと自体が珍しかったのですよ。

世間知らずのお嬢さんは、良い家の結婚条件に求められるものだったのです。

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世間知らずの高枕と同じ意味のことわざ

世間知らずの高枕は、今はあまり使われることがありません。

同じ意味のことわざに「知らぬが仏」というのがあります。

何が起こっているのか知らなければ仏のような穏やかな心のままでいられるという意味です。

世間知らずの高枕よりも少し限定的な意味になりますが、知らなければのんびりして平和な気持ちでいられるという意味では同じだと思います。

旦那さんが浮気していても、それを知らなければ良い妻として過ごせるとか、そんなシーンで使われるのが知らぬが仏です。

今は世間知らずの高枕よりも知らぬが仏の方が広く使われるようになっていますね。

気楽なことばずっと続けば良いですが、人生はそんなに甘くありません。
「楽は苦の種、苦は楽の種」という言葉の意味もチェックしてみましょう。

まとめ

世間の荒波を泳いで必死に頑張って生きている人にとって、世間知らずの高枕はいい意味としか思えないのです。

ホントは皮肉を込めて使われるのでしょうけど、多くの現代人はそう思わないのではないでしょうか。

それこそ皮肉なものですね。