ベテラン・中堅・若手と統一感がないのはなぜなのだろう?

ことばの雑学

ベテラン社員、中堅社員、若手社員

ベテラン芸人、中堅芸人、若手芸人

どの分野でも使われますよね。

しかし不思議に思いませんか?

ベテランは日本語ではなさそうだし、中堅、若手と並べると、バラバラで統一性が全くありません。

なぜベテラン、中堅、若手と世代や経験を分けて表現するのか、その理由やそれぞれの由来について掘り下げてみました。

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ベテランとは

ベテランは英語のveteranがもとになっています。

もともとはラテン語から変化した言葉で、軍人のことを指す言葉でした。

古参兵や引退した軍人のことを指す言葉だったので、日本では経験が豊かな人、長い実績がある人のことをベテランと呼ぶようになったのです。

日本語に言い換えると、古参、古株、古顔、古豪、熟練者、老練者など。

中堅や若手と並べるのなら、ベテランよりも古参や古株のほうがしっくりしますが、「古い」とか「老い」を連想させるので、ベテランのほうが使いやすいのかも知れませんね。

中堅とは

中堅とは、ざっくり言えば、中間管理職的なポジションのいる人のことです。

首脳部の直下にいる人たち、さほど上位ではないけれど組織の中では実働部隊として重要な役割を担う人たちのことを総じて中堅と呼ぶことが多いですね。

中堅レベルとか、中堅ポジションなどという表現もあります。

「それは褒めているの?」とわかりにくいと感じる人もいます。

中堅は単なる中間にいるだけではなく、経験を積んでいる精鋭のことでもあるので、絶賛する褒め言葉ではないとしても、貶されているわけでもないので、素直に受け止めても良いのではないでしょうか。

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若手とは

若手については、ベテランや中堅とは違い、「若い」という年齢を連想させる表現になっています。

これは単に年齢が若いこともあります。

様々な分野で若手と呼ばれるのは、その組織の中では若い年齢にある人を指していますから。

しかし、単に年齢のことだけではなく、経験が浅ければ若手に分類されることもあるのです。

例えば芸人の世界では、年齢よりもその業界に入った時期によって若手、中堅、ベテランに分けられることもあるので、若手イコール年齢が若いと限ったことでもないのでしょう。

若手の意味は、若くて働き盛りの人や、そのクループの中で若い年齢にある人のことなので、年齢の若さも無関係ではありません。

ベテラン・中堅・若手の理由

ベテランだけが日本語ではないのは、先に触れたとおり、「老」や「古」が老いを連想させるためではないかと思います。

熟練者でも良さそうなものですが、伝えやすい言葉の方が浸透するのではないでしょうか。

単に年功序列で三段階をあらわすのなら、高齢者、中年、若者になってしまいます。

ベテラン、中堅、若手とはその分野の実績、経験、能力のレベルで分けるためであり、3つがセットになって生まれた言葉ではないので、統一感がないのだと思いますが、あくまでも推測です。

まとめ

ベテラン、中堅、若手と当たり前に使っていますが、よく考えるとなぜベテランだけが日本語ではなく英語由来なのか不思議でした。

日本語に言い換えると、「年寄扱い」と思われてしまうリスクがあるので、ベテランの方が無難ですね。