【打ち上げ】の語源とは!芸能界だけじゃなく広く使う言葉の由来!

ことばの雑学

「打ち上げ」と言えば、単なる宴会の別名みたいになっていますね。

宴会イコール打ち上げではないのですが、あまりにも一般社会に広まり過ぎたようです。

芸能人が「ドラマの打ち上げで仲良くなった」とか「打ち上げが楽しみになるほど和気あいあいとした現場でした。」などインタビューに答えるのを聞きます。

一般人は芸能界で使われる言葉を真似したがるので、あっという間に広まった感じですね。

しかし、「打ち上げ」は芸能界で生まれた業界用語というわけではないのです。

もともとの語源について、調べてみることにしました。

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「打ち上げ」の意味

「打ち上げ」は、1つの仕事やイベントなどを終えた後に、関係者を集めて行う宴のことです。

「打ち上げ」は宴会の別名というのは、間違いとも言えないのですが、ただ集まって宴会をするのとは違います。

何かの仕事に関わった人が集まる宴会なので、その点がハッキリと違うのです。

「打ち上げ」の語源

「打ち上げ」の語源とされているのは、2つの有力説があります。

1つは、平安時代の雅楽に由来するという説です。

太鼓が打たれると、演奏の終わりという指示だったので、太鼓の打ち上げから演奏が区切られるのが由来になったと言われています。

雅楽は西洋音楽のような楽譜がなく、耳コピや口伝で習得するものでした。

そのため、区切りや終わりのサインは重要だったと考えられます。

もう1つの有力な語源は、長唄のお囃子です。

長唄とは、江戸時代に歌舞伎の演目の中で歌われてブームとなりました。

現代のドラマや映画を盛り上げる挿入歌のようなものです。

長唄をさらに効果的に盛り上げるためのお囃子が入ることがあったのですが、そこで太鼓が打たれると、一段と盛り上げたり、一段落つきます。

キリの良いところで太鼓を打つことから、仕事が終わった後に関わった人たちで騒ぐことの語源になったと言われています。

2つの有力説は、どちらもあまり大きな違いはなく、楽器の太鼓が由来とされています。

時代が違うのですが、江戸時代の長唄由来の方が有力だと考える人が多いようですね。

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「打ち上げ」の類語

「打ち上げ」は、すっかり世の中に浸透しているので、それ以外の表現はあまり使われなくなりました。

何かにつけて「打ち上げしよう」というくらい、便利に使われています。

あえて他の言葉に言い換える必要もないかも知れませんが、「打ち上げ」の類語もチェックしておきましょう。

反省会

仕事や行事が終わった後で、関係者が集まって反省点について話し合うのが反省会です。

ネガティブな印象がありますが、反省会という名の宴会もよくあるので、打ち上げと共通する部分があります。

慰労会

慰労会は、仕事やイベントなどでプロジェクトに関わった人を労うための集まりです。

打ち上げよりも、目上の立場の人が「ご苦労様」という気持ちを込めて開催する宴会のイメージがあります。

まとめ

「打ち上げ」という名の宴会は、ただ集まって騒ぐよりも、何かやり遂げたことをみんなで労い合う宴会のように聞こえます。

ただ集まって騒ぎたいだけでも、「打ち上げ」は耳触りが良いので使いたくなるのではないでしょうか。