【現金な人】とはどんな人のことなの?語源はどこから?その意味は!

ことばの雑学

「あなたはホントに現金な人ね」とか「まったく、現金な人は困るわ」など、「現金な人」はイイ意味では使いません。

悪い意味で使う言葉なので、「現金な人」と言われて喜ぶ人はまずいませんよね。

でも、「現金な人」という言葉はなぜ使われるようになったのか疑問です。

そもそも「現金な人」という表現が生まれたのはいつなのか、またその由来は何なのか調べてみました。

興味のある方は、ぜひ一緒にチェックしてみましょう。

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「現金な人」とはどんな人

「現金な人」とは、自分にとって利益になるとわかった途端に、コロッと態度を変えるような人のことです。

たとえば、

こと子
こと子

悪いけど、定時に終われそうにないから手伝ってくれない?

えええ~、私も忙しいのに

こと子
こと子

そう言わずにお願いよ。
明日のランチは私がご馳走するから。

ホントに?
じゃあ手伝う!

このように、利益があるとわかった途端に態度が変わる人は「現金な人」というのです。

 

「現金な人」の語源

「現金な人」は、江戸時代には使われていました。

その当時に現金という言葉があったのですね。

語源はその当時の商売のやり方に由来しています。

今でこそ、キャッシュレス決済がどんどん普及していますが、日本は先進国の中ではかなりキャッシュレス決済が遅れています。

それほど、現金払いをする人が多かったわけです。

しかし「現金な人」という言葉が生まれた江戸時代は、現金払いよりもツケ払いが主流だったのです。

江戸の街が賑やかに発展を遂げる頃は、遠くから江戸を目指して多くの人たちが仕事を求めてやってきました。

人口がどんどん増えていくのです。

人が増えれば商売も成り立つわけですから、商売を始める人も増えていきます。

その当時の商売は、現金でその都度払うよりも、ツケ払いをして後から集金に行くことが多かったのです。

顔馴染みになれば、ツケ払いをする人がほとんどだったようです。

ですが、商売人にとってはツケ払いはリスクがありますよね。

集金に行っても、すんなり払ってくれないお客もいるわけです。

ツケの額が大きくなればなるほど、払う側もキビシイわけですから、その都度現金で払った方がお互いに助かるはずなのに、ツケ払いを断るのも商売人としては言い難いことだったと思います。

しかし、ツケをするのが当たり前の時代でも、現金で支払う人もいたのですよね。

現金で払ってくれるお客は、商売人にとってはありがたい存在です。

現金払いのお客に対しては、とても愛想の良い振る舞いをしたくなるのもわかります。

ツケ払いの客への態度とは、打って変わってニコニコと接する様子が、「現金な人」の語源になったのです。

つまり「現金な人」とは、現金払いをする客側が由来になったわけではなく、現金払いのお客だとわかった途端に態度を変える商売人から生まれた言葉なのです。

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「現金な人」の類義語

「現金な人」と同じように、その場の様子や相手を見て、自分にメリットがあるとわかった途端に態度を変える様子を表す言葉は他にもあります。

「お調子もの」
「調子がいい」
「ちゃっかりしてる」
「打算的」

「現金な人」と通じる意味がありますが、「打算的」を除けば、言われても気を悪くするほど嫌な意味の言葉には感じませんね。

まとめ

「現金な人」は、そもそも商売人の苦労から生まれた言葉です。

対価として受け取って当然なのに、ツケをする人が渋って払わないのは困ったでしょうね。

現在のキャッシュレス決済は、お店の人が困る仕組みではないですが、後から払うシステムは、やはり回収できないリスクがあるのは同じです。

便利ですけど、やっぱり現金払いを選びたい人がいるは理解できるのではないでしょうか。