千秋楽の由来とは?相撲が始まりなの?千穐楽との違いとは!

ことばの雑学

千秋楽といえば、演劇や相撲など、何日間も続いて行う興行の最後の日として知られています。

この千秋楽というのは、相撲から始まったのでしょうか。
それとも歌舞伎などの芝居から始まったのでしょうか。

また、千秋楽を千穐楽と書くこともあります。

ここでは、千秋楽の由来や千穐楽との違いなど、解説しています。

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千秋楽とは

千秋楽とは

演劇や相撲などの何日にも渡る興行の最後の日

という意味です。

一般的に理解されている意味と同じです。

相撲が先なのか、芝居が先なのか、千秋楽を最後の日という意味で使い始めたのがどちらなのかはわかっていません。

千秋楽の千秋とは、千年という長い年月を表現する古い言葉です。

一日千秋という言葉がありますが、これは一日がまるで千年の長い年月のように感じるという意味です。

千秋楽の由来になった雅楽とは

千秋楽という言葉が相撲や芝居などの興行を締めくくる日という意味で使われるようになったのは江戸時代からだと言われています。
江戸時代中期には、相撲や歌舞伎など、庶民が気軽に娯楽を楽しめるようになっていました。

その時代に千秋楽が興行の業界で使われるようになったのですが、千秋楽の由来はもっと古い時代にさかのぼります。

千秋楽の由来になっているのは、日本特有の楽器を使った雅楽にある「千秋楽」という曲がもとになっていると伝わっています。

雅楽とは、神社などで祝詞の時に演奏されるイメージが強いものですが、古くは宮中や寺院でも演奏されていました。

それが数日に渡る興行の最後の仏教では、法会という数日に渡って行われる行事があると、その最後の日には「千秋楽」という曲が演奏されていました。日を示す千秋楽の由来になったという説が有力です。

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千秋楽と千穐楽の違いとは

千秋楽と同じ読み方の千穐楽や千穐樂は何か違う意味があるのか気になりますよね。

なぜわざわざ千穐楽とか千穐樂と書いているのでしょうか。

千穐楽も千穐樂も意味としては千秋楽と同じです。

古い字体ですから、あまり使われない漢字です。

そんな古い字体をわざわざ使うのには理由がありました。

まず千穐樂の樂の字を使うのは、深い意味があるわけじゃなく、提灯や幟などに書かれる時に雰囲気が出るからではないでしょうか。

ですが、穐の字を使うのには理由があります。
千穐楽の穐の字は、秋と同じ意味の漢字です。

千穐楽の方をあえて使っているのは、「秋」という漢字の中に「火」という文字が入っているからです。

相撲や芝居などの娯楽が盛んになった江戸時代の江戸の町は、とにかく火事が多かったのです。

江戸は世界有数の人口密集地帯でした。
燃えやすい木造の長屋が多く、火事が起こればあっという間に燃え広がってしまうこともあったのです。

火事を連想させる「火」という文字を使わない「穐」を使った千穐楽の方が、最後の日まで無事に興行を終わらせることができるという願いを込めていたのです。

そのため、千秋楽よりも千穐楽の方が好まれて使われたのでしょう。

まとめ

今では当たり前のように使っている千秋楽というのが、雅楽の曲名が由来になっているとは、あまり知られていないことです。

仏教の法会の最後に千秋楽という曲を演奏していたのも、知らない人が多いのではないでしょうか。

千秋楽の由来や発祥について解説しました。