落語によく出てくる道具屋という商売は、目が利かないとダメだと思っていたけど、そうじゃないらしい・・です。
でも、道具屋という商売は今でも存在しますが、品物の価値を見定める目利きは大切なはずなのに、どうして「道具屋は目が利いては商売にならぬ」なんて落語が存在するのか不思議ですね。
道具屋は目が利いては商売にならぬということわざの意味について調べてみました。
道具屋とはどんな商売なのか
道具屋とは、いわゆる骨董屋のことです。
古道具を扱うので道具屋と呼ばれていました。
道具屋にも色々あって、お店を構えている人もいれば、決まった場所で骨董市のように露店を出して商売していることもありました。
道具屋の場合はある程度の価値のあるものを扱うのですが、ほとんど価値のないようなものでも無駄にしない時代には屑屋という人もいました。
紙屑でもなんでも買い取っていたので、今で言うところの廃品回収業とかリサイクル業者という感じでしょう。
道具屋は目が利いては商売にならぬの意味
道具屋は骨董屋のことなので、どう考えても目利きが良い方が商売がうまくいくと思いますよね。
目利きとは、品物の価値を見抜く技量のことを言います。
例えば古い茶碗などは、有名な人が作成したものであれば高額な金額で取引できます。
なので、道具屋に品物を売る側にとっては目が利く道具屋に売りたいはず。
では、道具屋は目が利いては商売にならぬということわざがあるのはなぜなのでしょうか。
このことわざの意味は、道具屋はあまり目利きができない方が適当なことを言ってごまかすことができるので、うまい商売ができる可能性があるということなんです。
道具屋の儲けは、安く買って高く売ることで大きな利益になります。
目が利くと、良い品物にはそれなりの金額をつけることになるので、大きな儲けを逃すことになるからです。
売る側が価値をわかっていても、それがほんとに価値があるのか証明することができないと、道具屋に安く買いたたかれることもあります。
要するに道具屋がいい加減なことを言えるように、目が利かないことを言い訳できるための業界用語のようなものがことわざのもとになっています。
ことわざの使い方
道具屋は目が利いては商売にならぬということわざは、骨董を扱うような商売をしていないと使う場面はほとんどないと思います。
ただ、今は個人売買の方法としてネットオークションがあるので、オークションを使う時には使えないわけでもないでしょう。
まとめ
道具屋という商売は、今では古物商として資格を有した人しかできないというルールがあります。
堅い商売というイメージですが、落語の世界ではもっとゆるい商売なので道具屋が登場する面白い噺が沢山あります。
「道具屋」「猫の皿」「井戸の茶碗」「火焔太鼓」など有名な古典落語に出てくる道具屋や屑屋さん。
それだけ色んな事が起こるのが道具屋の商売だったのでしょう。