「後家花咲かす」とか「後家花を咲かす」など、後家に対して使う言葉としておなじみです。
後家とは、夫に先立たれた女性のことです。
その後家が花を咲かすとはどんな意味なのでしょう。
このことわざにかかわる言葉の意味を解説します。
「後家花咲かす」とは
「後家花咲かす」とは
夫に先立たれた未亡人が、夫が生きていた時よりも小ぎれいになり、男たちからちやほやされてもてはやされること。
このような意味があります。
もっと簡単に言ってしまえば、未亡人になってからキレイになってモテる女性のことです。
夫に先立たれた後の方が小ぎれいになるのはなぜなのか?と疑問に感じるかも知れませんが、
夫と長年連れ添っていると、男女間の恋愛感情が薄れてしまうので、化粧やオシャレに手を抜くようになる女性もいますよね。
それに、夫の世話をするのに忙しくて、外見にかまっている時間もなかったのかも知れません。
夫が亡くなって自分のために時間を使えるようになると、小ぎれいにする余裕も出てくるわけです。
しかも、夫に先立たれた未亡人なので、新たな出会いがあれば再婚もできますよね。
他の男性の視線を意識するようになるので、後家になると小ぎれいになってモテるというわけです。
「ちやほや」とは
後家になると男性たちからちやほやされるのが「後家花咲かす」の意味ですが、「ちやほや」って何なのでしょうね。
「ちやほや」の意味を調べてみると、
ご機嫌をとっておだてて、その人を良い気分にさせることです。
でも、なぜ「ちやほや」なのでしょうか。
「ちやほや」は、「蝶よ花よ」が変化した言葉だと言われています。
愛情に満ちていて、周りから可愛がられて育つ子供などに「蝶よ花よ育てられた」と表現します。
そこから生まれたのが「ちやほや」なのですね。
「蝶よ花よ」が変化し、短縮された略語でもあるわけです。
「後家花咲かす」と対義する言葉
「後家花咲かす」は夫に先立たれた未亡人のことですが、この言葉と対義するのが妻に先立たれた男性のことを表した「男やもめにうじがわく」です。
「やもめ」とは寡婦と書きます。
後家と同じく、夫を亡くした未亡人や夫と別れた女性のことを「やもめ」と呼びます。
「男やもめ」とわざわざ男を付けているのは、男性に対する言葉ではないからです。
妻に先立たれたり、妻と別れた男性のことは鰥夫(やもお)と呼びます。
ですが、わざわざ男やもめで表すのは、「男やもめにうじがわき、女やもめに花が咲く」と続いているからなんです。
夫を亡くした後に輝く女性と、妻を失って生活が乱れて衰えていく男性との対比をわかりやすく表現しています。
まとめ
「後家花咲かす」は、今の時代にも共感する言葉です。
今は夫婦が別れてバツイチになってからモテるようになったと感じる人が多いです。
これは男女共通することですが、独り身になってキレイになる女性がモテるのは、昔も今も同じなのでしょう。