子供を叱る時に「こらっ」と言っている大人はとても多いと思います。
子供に対してだけじゃなく、ペットのいたずらにも「こらこら~」なんて言ってしまいます。
子供の叱り方として「こら~」というのはあまり良くないと言われていますが、無意識に口から出てしまうのはどうしようもありません。
それほど、日常的によく使われていますし、今は大人になって「こらっ」と叱る立場になっている人もきっと、子供の頃には「こらっ」と叱られて育ってきたのではないでしょうか。
それほど身近な「こらっ」という言葉ですが、一体どんな意味だと思いますか?
この「こらっ」に意味なんてないと思ってきましたが、叱る時にこれほど広く使われるようになったのには、なぜなのでしょうか。
「こら」の由来とは
「こら」の語源や由来を調べてみると、色んな説が見つかりました。
その中でも有力な2つの説があります。
「これ」から「こら」になった
「こら」の由来は、「これ」だという説がかなり有力です。
「これ」は人を呼ぶ時に使います。
ただ人を呼ぶだけではなく、目上の者が目下の者を呼ぶ時に使います。
例えば殿様が家来に何か用事を申し付ける時に、近くに呼ぶために「これ、誰か居らぬか~」という時に使います。
同じ立場の者同士や、目下の者から目上の人に対して「これ」と言うことはありません。
これが語源となり、大人が子供を注意する時に近くに呼び寄せるために「これ」と使うようになり、語気が強まって「こら」になったという説があります。
方言がもとになった
もう一つは「こら」というのが「お前」とか「あなた」を意味する方言という説があります。
薩摩言葉(鹿児島)の方言で、「こら(お前)」というのが、日本中に広まったという説です。
なぜ薩摩言葉の「こら」が広まったのか、その理由は幕末の志士に薩摩出身者が多かったことが関係しているようです。
徳川幕府を倒すために戦った討幕派は、薩摩藩や長州藩が多かったので、明治政府になってから役人になったのは薩摩や長州出身者が多かったのです。
薩摩藩出身者は今で言うところの警察官になった人が多かったので、警察官が犯人を捕まえる時などに「こら~っ(お前)!待て~」と言っていたのが広まったという説があります。
この説がほんとだとすると、「こら」と言って叱るようになったのは明治以降ということになります。
まとめ
「こら」というようになったのはいつからなのか、はっきりわからないこともあるので、由来や語源として様々な説があります。
有力な2つの説をあげてみましたが、個人的には「これ」から「こら」になったという説の方が納得できました。
皆さんはどうでしょうか。