何か話をした後に、「おあとがよろしいようで・・」って何気なく使っている人がいます。
あれって意味を知らずに使っている人がほとんどだと思います。
「おあとがよろしいようで」とは何となく話が上手くまとまった時とか、ちょっと笑いを起こしてオチをつけて話ができた時に、最後の締めくくりに使っている人がほとんどだと思いますが、ほんとは意味があるのですよ。
おあとがよろしいようで・・は寄席で使う言葉
「おあとがよろしいようで」と上手く話にオチをつけてまとめた時に得意げな顔をして言っている人もいますが、これは正しい使い方ではありません。
もともと、「おあとがよろしいようで」とは寄席で生まれた言葉です。
上手く話しがまとまったよ!という意味で使うものではないのですが、本来の意味を知らないまま使っている人がほとんどなので、間違いを指摘されることもまずないでしょう。
おあとがよろしいようで・・の正しい使い方
「おあとがよろしいようで」とは、「この後の準備が整いましたよ」という意味で使います。
この言葉が生まれた寄席とは、次々に芸人が舞台に出てきます。
落語もあれば漫才もある、喜劇や奇術、物まねなども出てくるのが寄席です。
落語家しか出ない寄席もありますけど、本来の寄席とは色んな芸をする人が出てくるので、一斉に集まれば賑やかでしょうね。
例えば浅草演芸ホールという寄席では、昼の部と夜の部それぞれで20組ほどの芸人が舞台に上がります。
ですが、それだけの芸人が同じ時間に集合するわけではありません。
出番が近くなると楽屋に入り、出番が終われば他の仕事に向かうなり、帰宅するなり・・というわけです。
その日に出演する芸人が揃って楽屋に待機しているわけじゃないのですよ。
寄席に出演する芸人は、自分の出番の直前まで他の仕事をしていることもあるので、基本的には15分前に到着すれば問題ないそうです。
もっとギリギリになりそうな時は、その前の芸人たちが少し時間を伸ばしながら着替えなどの準備ができるまで時間を稼ぎます。
いよいよ準備が整い、舞台に上がれる状態になって舞台袖まで来ると、舞台上にいる芸人が「おあとがよろしいようで」と締めくくり、次の出番の芸人にバトンタッチするというわけです。
「おあとがよろしいようで」と使いたいのなら、自分の後に話をする人の準備が整ったタイミングで話をまとめて使うのが本来の使い方なので、おぼえておきましょう。
まとめ
落語が好きな人じゃなければ、「おあとがよろしいようで~ちゃんちゃん♪」みたいに気軽に使っていると思います。
落語家が使っている言葉を真似して何となく使ったら日本中に広まっているのでしょう。
別に誰にも怒られないと思いますが、雑学として知っていると話題のネタになるかも知れません。