「押しも押されぬ」という言葉は、よく見聞きする慣用句ですよね。
押しも押されぬエースとか
押しも押されぬアイドルとかね
若い人でも意味はわかるよね
そうそう、
だから使いやすい慣用句だよ
たしかに、幅広い世代が「押しも押されぬ」という言葉の意味を理解していますから、使いやすい言葉ですよね。
しかし「押しも押されぬ」という言葉の意味をほんとに理解しているのか・・というと、少し怪しくなってきます。
というのも「押しも押されぬ」は誤用であり、正しい言葉ではないという説があるのです。
え????
嘘でしょ!
かなり高齢の人でも使うし、
今さら誤用なんて言われても困るなぁ
それもそうなのですが、正しい言葉なのかどうか知っておいて損はないと思うので、一緒に見ていきましょう。
「押しも押されぬ」は誤用
「押しも押されぬ」とは、じつは間違いです。
正しくは「押しも押されもせぬ」なのです。
「押しも押されもせぬ」とは、押しても引いてもびくともしない様子から、実力があり堂々としている様子をあらわす慣用句です。
確固たる地位にいる人物に対して使う言葉なのです。
かなり多くの人が「押しも押されもせぬ」を「押しも押されぬ」として誤って使っています。
20代から30代では、50%を超える割合で「押しも押されぬ」を使っていますから、時間の経過ともに誤用ではなくなる可能性もありますね。
「押しも押されぬ」とは
「押しも押されもせぬ」という言葉を「押しも押されぬ」と誤って使う人が多くなった理由は何なのでしょう。
さほど違いはないでしょ
ほとんど同じです
そうなんですよね。
発音してみると違うのがわかるのですけど、文字だけで見るとさほどの違いはありません。
しかも「押しも押されもせぬ」よりも「押しも押されぬ」の方が言い易いのですよ!
それにしても紛らわしい
じつは、誤用の原因は「押すに押されぬ」という言葉とごっちゃになってしまったからだと言われています。
おいおい、
またややこしい言葉が・・
「押すに押されぬ」とは、押しても押せないという意味です。
つまり「押しも押されもせぬ」とほとんど同じです。
意味がほぼ同義ですから、これがごちゃ混ぜになって発音しやすく自然に聞こえるので「押しも押されぬ」という言葉が広まったのではないかと推測されます。
まとめ
「押しも押されぬ」は正しくは「押しも押されもせぬ」であるという認識を持っている人がどんどん少なくなると思うのですが、せっかくなので正しい言葉を使えるようになりたいですよね。
「押すに押されぬ」という言葉から混同されてしまったという経緯が頭の片隅に残れば、これからは「押しも押されもせぬ」と正しく使えるのではないでしょうか。