他力本願という四字熟語は、よく使われますよね。
まったく、いつも人をあてにしてばかり。
他力本願もいい加減にしなさい!
このような使い方をする人が多いのではないでしょうか。
私もすっかりそう思っていました。
人の力を頼りにしていることや、人を助けをあてにすることが他力本願だと思い込んで使ってきました。
ところが、その意味が間違いだったのです。
他力本願だけじゃなく、意味を間違えて使っている四字熟語は他にもあるのではないでしょうか。
今回は他力本願の正しい意味や使い方をまとめてみました。
また、間違えやすい四字熟語も探していますので、参考にしてください。
他力本願の意味とは
「他力本願」の本来の意味は、他人の力をあてにすることではありません。
正しい意味は、仏様の力によって救われることなのです。
仏様とは、阿弥陀如来のことです。
つまり、他力本願とは仏教用語だったわけですね。
今ではすっかり他力=他人として使われるようになっていますが、本来は仏様によって救われることを表す言葉だったのですね。
意味を間違えやすい四字熟語
他力本願のように、正しい意味を知らないまま間違って使われている四字熟語は他にもあります。
見ていきましょう。
天地無用
「天地無用」は、運送業界で働いている人ならすぐに理解できる言葉です。
この言葉は、「逆さまにしてはいけない」「傾けてはいけない」という注意を促す意味です。
ですが、上と下が逆さまになっても問題ないという正反対の意味で使われることがあります。
「無用」という言葉が誤解されるからでしょう。
運送業界では誤解している人はいないでしょうが、運送業界にかかわったことがないと、あまり使わないので誤用されたまま勘違いしていると大変なので気を付けましょう。
閑話休題
「閑話休題」とは、会話をしていると、本題からそれてしまうことがあります。
そのような時に、話題を本題に戻すという意味の言葉です。
「話がそれましたが、本題に戻しましょう」ということです。
ですが、「閑話休題」は本題から話をそらす意味として誤解している方もいます。
「休題」が、本題を置いて違う話をすることだと勘違いしやすいからのようです。
まったく逆の意味なので、間違えないようにしなくてはいけませんね。
八方美人
八方美人は、誰にでもいい顔をする人のことを表す言葉として使われます。
褒め言葉ではなく、誰にでもいい顔をするので信用できない人物を表すような意味になっています。
ですが、本来は八方美人の意味は違ったのです。
どの角度から見ても美しく、欠点が1つも見られない完璧な人のことを表す言葉だったのです。
それがいつの間にか、どちらに向いてもいい顔をする人を批判する意味に変わってしまいました。
今ではもともとの意味として使う人はほとんどいなくなったので、褒め言葉ではなくなってしまったのです。
まとめ
「他力本願」は、仏様の力によって成仏するという意味だったのですね。
現在では、人任せだったり、人に頼るという意味の言葉として世の中に定着しています。
本来の意味よりも、人を頼ることとして使う方が一般的になったので、間違いではなくなっているようです。