「リストラになってしまって、次の仕事が見つかるまで貯金を○○○○しかないよ」
「貯金を○○○○のもあと残り少ない」
このようなとき、「切り崩す」のか「取り崩す」のか、どちらを使いますか?
それはもう間違いなく
「切り崩す」でしょう
うん
私も「切り崩す」だと思う
きっとほとんどの人が「切り崩す」の方を使うのではないでしょうか。
「取り崩す」のほうを使う人はかなりの少数派では・・。
「切り崩す」を使う人が多数派ですが、それが正しいのか解説します。
「切り崩す」とは
「貯金を切り崩して生活している」というように、貯めたお金を下ろしながら暮らすときに使う言葉ですね。
ほとんどの人が使う「切り崩す」とは、いったいどんな意味でしょう。
まず意味を調べてみます。
①切って低くする(山など~)
②攻め込んで、相手側の備えや団結を崩し、力を弱める。
新明解国語辞典
①意味を見るとわかりますが、「切り崩す」はもともと削ったり切ったりして、もとのカタチを変えることです。
カタチのあるものに対して使う言葉だったのです。
現在のような使い方をするようになった経緯まではわかりませんが、②の意味を見ると力を弱めることに対して「切り崩す」ということからカタチを変えるだけの意味ではなくなったのでしょう。
しかしもともとの意味を知ると、「貯金を切り崩す」というのはどうも違うような気がしてきますよね
「取り崩す」とは
「取り崩す」とはどんな意味なのか、こちらも調べてみました。
①高く積み上げたものを土台から壊す。
②(会計・経済学)で会社の積立金や保留金の一定額を他の経費に転用する。
新明解国語辞典
ここで「取り崩す」とはお金に関することに使うことがわかってきました。
貯金を~に続くのは
「仕事が見つかるまで貯金を~」に続くのは一般的に使われている「切り崩す」が正しいのか・・という疑問の答えはNOでした。
「切り崩す」も「取り崩す」も似たような意味ではありますが、まとまったものを少しずつ取ることを意味する「取り崩す」の方が正しいのです。
貯金を一気に使うわけではなく、少しずつ取って生活費に充てていくことをあらわす場合は「貯金を取り崩している」であり「貯金を切り崩す」は誤用だったのですね。
まとめ
もともとの意味を見比べてみても、「切り崩す」と「取り崩す」には大きな違いがありません。
今では「切り崩す」の方を使う人が多数なので、間違いとは言われなくなっていますが、正しく使い分けられるようになりたいのに、ややこしい誤用が多すぎて困りますね。