昭和の時代には、日本各地に「団地」と呼ばれる集合住宅が建てられました。
大規模な団地になると、大々的に山々を崩して開発していたようです。
スタジオジブリ映画の「平成狸合戦ぽんぽこ」は、東京郊外に計画された多摩ニュータウンによって、生きる場所を奪われる狸たちの奮闘ぶりを描いていました。
広大な土地を切り開いた団地には、商店や学校、病院などもあり、団地から出なくても生活できるほど設備が整っていたようですね。
狭い国土に増えていく人口を考えると、自然を壊してでも人が住む場所を確保する必要があったのかも知れません。
団地とは、日本が戦後の復興を遂げて、経済大国になる時代の風景の1つでもあるのです。
しかし、「団地」という言葉はいつからあるのでしょうね。
「団地」の意味や由来など、詳しく見ていきましょう。
「団地」の意味
「団地」とは、住宅だけに使う言葉ではありませんよね。
たとえば、工場が集まっているような地域を「工業団地」と呼びます。
そもそも団地とは、住宅のことだけに限った言葉ではなかったのです。
団地の意味を調べてみると、
同種の建物や産業を立地するために開発された、一団の土地のこと。
ということです。
つまり、団地とは「一団の土地」を短縮して生まれた言葉なのです。
その後、各地で住宅地の開発が進むとともに、
一地域に集合的に作られたアパート群。
また、一か所に画一的に建てられた建売住宅群。
のような一か所に住宅が集まるところに団地の名称がつけられるようになったのです。
「団地」の由来
「団地」は同種の建物が集まる場所として開発された一団の土地が語源になったのですが、「一団の土地」という言葉はどこから始まったのか・・。
その由来は大正時代にありました。
大正8年(1919年)に施行された都市計画法の中に「一団の土地」という文言が使われます。
それが「団地」の由来になったわけです。
ただし、現在のような集合住宅が立ち並ぶ地域のことを団地と呼ぶようになったのは、都市計画法が施行されてから40年ほど経った昭和30年代です。
その間には、世の中に「団地」という言葉は広まらなかったようですね。
「団地」と「公団」
「団地」と言えば公営のイメージがありますよね。
これは昭和30年に日本住宅公団というのが発足して、日本各地に大規模な団地が建設されたからだと思います。
公団というのは公営の団地を指すだけで、団地の定義として公営であることは関係ないのです。
また、近年では人口減少や建物の老朽化などで取り壊される団地も増えているようです。
もう何十年も過ぎれば、昭和の風景だった団地の姿も消えてしまうのかも知れませんね。
まとめ
「団地」というのは、そもそも一団の土地という言葉が語源ということがわかりました。
つまり、同じ目的の建物が集合する地域として開発されていれば、人が暮らす住宅に限らないということだったのですね。