超高齢化社会と言われるようになってきました。
4人に1人以上が65歳以上の高齢者なのですから、これから先のことを考えると、ちょっと心配になります。
でも、今は高齢者と言っても若くて元気な人が多いので、高齢者が活躍できるようになれば、高齢化社会も悪いことばかりじゃないと思います。
ところで、高齢者のことをシルバーという色で表しますね。
当たり前のように高齢者=シルバーと言われるようになっているので、不思議に思ったこともなく使っている方が多いのではないでしょうか。
どうして高齢者のことをシルバーと言うようになったのか、その理由を調べてみました。
なぜシルバーになったのか
高齢者のことをシルバーと呼ぶのは、世界共通だと思っている人もいるみたいですが、これは日本だけのことなんです。
シルバーは、英語のSilverのことです。
日本語では銀色のことですよね。
それでパッとイメージできるのが・・
・高齢者は白髪になるから
(白髪のことをシルバーグレイと言う)
・新しいものにはない魅力のことをいぶし銀というから
この2つの理由で高齢者のことをシルバーと呼ぶようになったと思っている人がかなり多いようです。
しかし、それが高齢者のことをシルバー世代と言うようになったきっかけではないのです。
白髪(シルバーグレイ)やいぶし銀は、後からその理由付けとしてぴったりだったので、いかにもそれが理由のように言われているだけで、ホントは電車の「シルバーシート」から始まったことでした。
シルバーシート誕生
今では当たり前になっている優先席は、高齢者、妊婦さん、身体の不自由な方などに優先して使ってもらうための座席となっています。
シルバーシートは、1973年に当時の敬老の日に初めて導入されました。
その当時は、まだJRではなく国鉄の時代です。
当時の国鉄は次々にできる私鉄との競争が厳しい時代だったため、何か私鉄とは違うサービスを始めようということから生まれたアイデアです。
これから高齢者になることが社会問題として少しづつ言われるようになった時だったので、お年寄に安心して電車を使ってもらえるように、高齢者に優先して座ってもらえる座席を作ることにしました。
わかりやすくシートの色で区別するために、たまたま余っていたシルバーの布を使ったことから、シルバーシートとして誕生しました。
「白髪、いぶし銀だからシートの色はシルバーにしよう!」となったわけじゃなく、たまたま余っていたからシルバーシートになったわけです。
シルバーが高齢者を連想させる色としてピッタリだということは、後から気がついたことだったんです。
その後はシルバー以外の生地を使うこともあったので、必ずしも銀色の座席ではなくてもシルバーシートと呼ぶのが定番となり、いつの間にか高齢者のことをシルバーと呼ぶようになったのです。
シルバーとシニアの違い
シルバー世代の由来が電車の座席に高齢者などのための優先席のシートの色からだったので、日本以外の国では「シルバー世代」のような年齢層を表す言葉に「シルバー」という色の名称は使われません。
では最近よく耳にするようになった「シニア」とはどんな意味なのでしょうか。
「シニア婚活」とか「シニア割引」などは、高齢者を対象にしていることだと思われていますよね。
一般的には「シニア」は熟年層以上の高齢者のことだと認識されているようです。
ですが、英語の「senior」の意味はもっと幅広いのです。
「年上」とか「先輩」という意味でもあるのですが、それだけではなく「上位」という意味も含まれます。
たとえば、フィギアスケートでは10歳~14歳までの選手はノービスというクラスの競技にエントリーできます。
ノービスの上はジュニアです。
ジュニアは13歳以上で19歳まで(シングル)の選手がエントリーできます。
15歳以上になるとシニアの競技にエントリーできるようになるわけです。
上位クラスという意味のシニアなので、一般社会で使われるようなシニア=高齢者と限定されるわけではないのです。
まとめ
高齢者に対してシルバーというのが、まさか電車のシートの色がもともとの始まりだったなんて、知らなかったので驚きました。
そう言えば、赤ちゃんとか青春とか、年代を色で表現することは他にもあります。
シルバーも今では高齢者としてほとんどの日本人が認識しているのですから、スゴイことです。
50年も経っていないのに、シルバーシートの誕生が新しい表現を生んだのです。
シルバーシートは電車だけじゃなく、バスにもありますし、駐車場にも優先エリアがあります。
シルバーシートはそのきっかけになったのですから素晴らしいですね。