「夜鍋する」という表現は、「かあさんの歌」の中の歌詞を思い出す方も多いのではないでしょうか。
♪かあさんが夜鍋をして、手袋編んでくれた♪
冒頭の部分の歌詞なので、印象的です。
この歌詞からもわかるように、「夜鍋する」とは夜遅い時間に鍋を囲んで食べることではありません。
なぜ「夜鍋する」という表現になったのか、その語源や由来について調べてみました。
「夜鍋する」という言葉の意味に疑問を持ったことがある方は、ぜひ一緒にチェックしてみましょう。
「夜鍋する」の意味とは
「夜鍋する」の意味は、
夜を徹して作業する
深夜まで仕事をする
このように、夜遅い作業のことをあらわす意味があります。
ただし「夜鍋する」というのは、「夜鍋仕事をする」を短縮させた言葉です。
「夜鍋する」の語源とは
「夜鍋する」の語源は、今も昔も変わらず夜遅くまで仕事をしているとお腹が空くことが由来です。
夜遅くまで作業していると、お腹が空くので夜食を食べることがありますよね。
昔は今のように夜遅くまで明るい照明があるわけじゃないので、早寝早起きが自然にできました。
しかし、仕事が終わらなかったり、夜しかできない仕事をする人は昔もいました。
たとえば農家は朝早い仕事が多いのですが、季節によって、また作業内容によっては遅くまでかかることもあったのです。
きっと夜食が食べたくなったでしょうね。
そんな時に囲炉裏に鍋をかけて、それを食べて空腹を満たしながら作業を続けることがあったのです。
囲炉裏にかけた鍋を囲んで、体を温めて作業に励むことが「夜鍋する」の語源なのです。
夜遅くまで作業することを「夜鍋仕事」と言うようになり、それが有名な童謡の歌詞の「かあさんが夜鍋をして、手袋編んでくれた」と歌われるようになったのです。
「夜鍋する」の使い方
「夜鍋する」の使い方を例文で見てみましょう。

昨日は何時まで残業してたの?

終電はなくなってたよ

そんな遅くまで?

さすがに疲れてるよ

頼んだ課長も一緒に残ってたんでしょ?

夜食の牛丼を差し入れて帰ったよ

部下に夜鍋させて自分は帰ったのか

夜鍋仕事するのは構わないんだよ。
そういうこともあるからね。
でも一緒に頑張ってくれないから、課長は人望がないんだよ。
「夜鍋する」の類語
「夜鍋する」または「夜鍋仕事する」と同じ意味の言葉を探してみました。
夜間作業
夜勤
深夜残業
居残り作業
まとめ
「夜鍋する」というのは、夜遅くまで仕事をするとお腹が空くから鍋をかけて夜食を作って食べたことが由来でした。
鍋で煮炊きできるメニューは色々ありますが、時間をかけて煮たものは、胃腸にもやさしいので夜食にピッタリだったのでしょう。
夜中まで起きていると、とくに何もしていなくてもお腹が空きます。
ですが、ただの夜更かしは「夜鍋する」とは言わないので気をつけましょう。