辻褄を合わせると言いますが合わないものを無理に合わせる意味?

ことばの意味

話の辻褄を合わせるとか、辻褄の合わないことを言っているとか、辻褄は日常会話にもよく使われます。

辻褄を合わせるという慣用句は、どんな意味なのでしょうか。

辻褄の由来や使い方について解説します。

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辻褄とは

辻褄が合わないという慣用句は、和装から生まれた言葉だと言われています。

和服を縫う和裁は、洋服を縫う洋裁とは違って、基本的に直線縫いです。

縫い目が重なるところは、十字になります。
その重なり合うところを「辻」と呼んでいます。

辻とは、道と道が十字に重なるところという意味ですから、直線に縫う和裁では、縫い目と縫い目が重なる部分はまるで十字路のように見えるからでしょう。

そして辻褄の褄とは、着物の裾の左右を合わせるところのことです。

褄がが合っていなければ、縫い目がズレている、もしくは歪んでいるということで、正しく縫えていないのです。

着物を畳む時にも、着物を着る時にも、裾の褄が合わなければきれいに着られません。

つまり、辻褄が合わせるとは、物事の道理を合わせるという意味です。

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辻褄は無理に合わせること?

辻褄を合わせるという慣用句は、良い意味として使うのか、悪い意味として使うのか、ちょっとわかりにくいと思いませんか?

例えば、本来は矛盾していることでも、話の前後を何となく変えながら、もっともらしく筋の通った話にするというのが辻褄を合わせるという意味なので、あまり良い意味ではないような気がします。

ですが、着物の辻や褄は無理に合わせることはできません。
ということは、辻褄を合わせるのは、悪を無理に善にするとか、間違いを無理やり正解にするわけではなく、最終的に辻褄を合わせられれば矛盾していないということなんですね。

辻褄が合わないとは

辻褄を合わせることができないちぐはぐなことは、辻褄が合わないと言います。

辻褄を無理に合わせると、着物は歪んでしまい、美しく着ることはできないので不格好です。

どれほどもっともらしく説明して、無理に話の筋を通そうとしても、合わないものは合わないわけです。
辻褄を合わせるという慣用句から、辻褄が合わないという表現が使われるようになったのです。

嘘を疑っている相手は、話の辻褄が合わない部分がないか、矛盾を見つけようとしています。

辻褄が合わないとは、嘘がバレる時などによく使われる表現ではないでしょうか。

辻褄が合わないようなことは、しないに越したことはありませんね。

まとめ

和装をする機会が多くても、辻褄が着物の和裁から生まれた言葉だとは知りませんでした。

そんなところに由来があったなんて、意外に知らないのではないでしょうか。

和装する時には、辻と褄をじっくり観察してみてはいかがでしょう。