「大丈夫です」という言葉は、色んな使われ方をしていますね。
私もきっと本来の意味とは違う使い方をしていると思います。
たとえばお菓子などを周りにすすめると「私は大丈夫です」と言われるのは、本来の使い方とは違うのでしょう。
この場合の「私は大丈夫です」は断りの意味です。
なぜ「大丈夫です」が断ることになったのか、疑問ですよね。
今回は「大丈夫」の意味が変化した問題をまとめています。
「大丈夫」の意味とは
「大丈夫」という言葉の意味を調べてみると、
危険なことにはならないと断定できる状態
損失や失敗を招くおそれがない状態
良い結果になることを請け合うこと
このように、安心や安全を表す言葉です。
「あの人に任せておけば大丈夫」
「今の調子でいけば大丈夫です」
このような使い方をするのが正しいのです。
また、安全や安心を確認する意味として使うこともあります。
「休憩しなくても大丈夫ですか?」
このように、危険なことを防ぐために、安全を確認する意味として使います。
「大丈夫」の使い方が変化した流れ
「大丈夫」の使い方が変化してきたのは、安心や安全を確認するための「大丈夫」を丁寧な言葉として使われるようになったからだと言われています。
たとえば飲食店などでは、とても頻繁に耳にします。
「お皿をおさげしても大丈夫ですか?」
「お支払いはご一緒でも大丈夫ですか?」
このように、「いいですか?」という意味で「大丈夫」という言葉がよく使われています。
最近では、スーパーやコンビニなどでレジ袋が有料化されたので、会計時に「お買い物袋は大丈夫ですか?」と聞かれることがあります。
この場合は「買い物袋はお持ちですか?」とか「レジ袋はご入用ですか?」といえばいいと思うのですが、「大丈夫ですか?」というのが当たり前になってきたのです。
違和感なく聞き入れているので、私自身もきっと使っているのだと思いますが、意識していないので自覚がないのです。
「大丈夫」が使いやすい理由
「大丈夫ですか?」と確認されると「大丈夫です」と答えるからなのか、今では断り文句として「大丈夫です」が当たり前になってきました。
「レジ袋は大丈夫ですか?」と聞かれて「大丈夫です」と答えれば、それでやり取りは成立します。
それどころか「レジ袋は有料ですがいかがいたしますか?」と聞かれても「大丈夫です」と答えることもあるのです。
まるで万能な言葉のように「大丈夫」が使われます。
もうすっかり断る言葉として定着しているのですが、その理由として考えられるのは「やわらかい印象を与える」からではないでしょうか。
「レジ袋はご入用ですか?」と聞かれた時に「要りません」や「必要ないです」と答えるよりも「大丈夫です」と答えた方が何となく柔和な感じがするのでしょう。
まとめ
若い世代では、すっかり「大丈夫です」が断り文句となっていますから、もう間違いとは言えなくなったのです。
半数以上に定着すれば、誤用だったとしても間違いではなくなります。
言葉は時代の流れとともに変化するので、本来の意味にこだわり過ぎるのも疲れてしまうので、ほどほどがいいですね。