地方によって言葉の違いがあるのは、日本語だけに限ったことではありません。
英語やフランス語、イタリア語などにも地方によって訛りのようなクセがあるようです。
しかし、訛っていても意味が通じないわけではないので、日本の方言のようにまるで外国語のように聞こえるのは珍しいのではないでしょうか。
日本のような狭い国土なのに、まったく聞き取れないほどの言葉の違いがあるのは興味深いですね。
ところで、方言と訛りは同じ意味だと思っている方が多いのではないかと思います。
一般的には方言と訛りは同じような意味として通じますが、きっちり分けることができるほど、明確な違いがあるようです。
今回は方言と訛りを分けるポイントについてご紹介します。
方言とは
方言とはその地方や地域だけで使われる言語のことです。
同じ物や状態、行動などでも、方言と標準語で全く違う言語になる場合は方言になります。
同じ単語でも、似通ってもいない言葉は方言に区別します。
たとえば「こわい」という言葉は、恐ろしいことを指す言葉として使われますが、「固い」という意味で使う地域もあります。
このように、同じ言葉でも全く違う意味を表す言葉に変わっているのは方言です。
訛りとは
訛りとは、方言とは違い、言語そのものは標準語とあまり違いがないのに、イントネーションや抑揚に特徴があることです。
わかりやすい例では、標準語を使う人が多い首都圏に近い北関東の訛りです。
茨城や栃木の北関東では、語尾が上がる独特のイントネーションです。
しかし使っている言語は標準語とほとんど同じなのです。
語尾が上がったり、語尾が下がったり、言葉に強弱をつけたり、特有の語尾を付けます。
方言のように意味が通じないわけではないのですが、その地域の訛りの特色が強く出るので、方言と同じように考えられることがあるわけです。
標準語が定められるまで
日本では、標準語というのが明治時代に定められ、それを広める活動がされてきました。
そうなると、100年ちょっとなんですよね。
方言の歴史の方がはるかに古いわけで、簡単に消滅するはずもありません。
しかし、標準語が定まっていないと、政府の仕事、軍隊の指揮、教育など様々な分野で支障が出るようになってきます。
その後、ラジオが出てきて、テレビが普及して、方言を使っている人たちも標準語に触れる機会が増えてきて、方言や訛りのある話し方と標準語を使い分けられるようになってきたのです。
明治政府の要職にいた人物たちは薩摩(鹿児島県)や長州(山口県)の出身者が多く、東京で政府の仕事をする役人たちとの意思の疎通や指示がうまくいかないような問題を解消するためにも、標準語の普及が急がれたという説もあります。
方言の区画分け
日本の国土の中には、数えきれないほどの方言や訛りがあります。
例えば、私の故郷の愛知県では、名古屋弁、西三河弁、東三河弁と大きく分けても3つに分かれます。
全国津々浦々でこのような細かい区画分けがされていると思うのですが、基本として知っておきたい区画分けをご紹介しましょう。
・北海道方言
・東北方言
・関東方言
・東海、東山方言
・北陸方言
・近畿方言
・中国方言
・四国方言
・雲伯方言
・豊日方言
・肥筑方言
・薩隈方言
・琉球方言
ざっと分けてこのようになります。
これでも大雑把な分け方なので、ここからさらに細分化するとどれほどの方言や訛りがあるのか想像もできません。
東京には方言はある?ない?
東京に住んでいる人たちは、地方出身者が圧倒的に多いので、様々な方言や訛りが混在している土地です。
東京に移住すると、言葉を標準語に直そうと意識するので、あまり目立った方言や訛りは聞かれなくなりますが、じっくり会話をすればイントネーションの違いなどでわかります。
関西出身の人でも、昔は標準語に直そうとしたようですが、お笑いブームが巻き起こった80年代以降は関西出身の人はそのまま関西弁を使う割合が増えているようです。
関西弁に対する憧れのようなものがあるのでしょうね。
ところで、東京には方言はないのか?という疑問が湧きます。
東京になる前は江戸と呼ばれていました。
江戸は世界屈指の都市だったので、東京になる前から、各地から江戸に出て働く人が多かったのです。
今とあまり変わらないですね。
江戸っ子と呼ばれる人たちが使う言葉は江戸弁と呼ばれていました。
今でも関東の落語では江戸弁を使っています。
たとえば女の子が騒がしい様子を表す「おきゃん」や目障りなことを表す「うざったい」などは、江戸弁として今でも残っているので、東京の方言なのですがそういうイメージはありませんよね。
東京の方言は若者言葉と同じように全国に広まりやすいので、東京独自の言葉ではなくなって消えていったものが沢山あるようですね。
江戸っ子言葉についてはこちらでも詳しく書いています。
まとめ
外国語か?と思うほどのクセの強い方言を使う人でも、標準語はきちんと通じるのですから、言葉のチカラはすごいものです。
個人的には、博多弁と広島弁が好きです。
英語など外国語を勉強するのも良いですが、日本全国の色んな方言を話せる人になるのもカッコいいと思ってしまいました。