【指南】とはどんな意味?正しい使い方や語源とは!類義語は!

ことばの意味

「指南」と言えば、人に「何かを教えること」という意味の言葉ですよね。

指南役とか指南番のように、技術を教える人のことをそう呼んでいました。

では、なぜ人に何かを教えることを「指南」というのでしょう。

指と南という文字を合わせて、人に何かを教える言葉になった由来は何なのか疑問です。

今回は、「指南」の本来の意味を探り、語源や使い方、類義語などを調べてみました。

興味のある方は、ぜひ一緒にチェックしてみてください。

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「指南」の意味

「指南」の意味は、一般的に使われている「教える」で間違いありません。

知識や技術を指導すること、人に教えることを「指南する」と表します。

現代の日常的な会話では、あまり使われなくなっていますが、目上の方に教えを受ける時などに使える言葉です。

江戸時代までは、武士に剣術を教える人物のことを剣術指南役や剣術指南番と呼んでいました。

大名ともなれば、剣に長けた者を指南番として召し抱えます。

そして武士たちに剣術を教えたりするほか、「こんな強い剣術指南番を召し抱えている」と自慢するような意味もあったようです。

戦のない時代になってからも、戦い方を指導する役割として兵法指南役という立場が徳川幕府にありました。

時代劇の登場人物として有名な柳生十兵衛の父親である柳生宗矩は、兵法指南役として徳川家の剣術流儀となる柳生新陰流を確かなものにしたと言われています。

このように、江戸時代までは、技術を教えることは「指南」という言葉で表すことが多かったのです。

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「指南」の語源

「指南」の語源を調べると、古く中国から伝わったようです。

古代中国には、「指南車」と呼ばれる車がありました。

この車には、仙人の姿をした人形が備え付けられていたのです。

その仙人の人形は、前に腕を伸ばしていて、その指先は常に南を向くような仕掛けが仕込まれていたのです。

広大な大地や深い霧などで進む方向を見失わないための、先導車の役割をするのが指南車だったのです。

その指南車が導く方向に進むことで、目標にたどり着けることから、人を導くことを「指南」というようになり、そこから技術や知識を教えて導くことを「指南する」と使われるようになったわけです。

語源となった指南車の人形の仕掛けは、磁石が仕込まれていたと言われています。

「指南」の使い方

「指南」の使い方を例文で見てみましょう。

「任せてください!○○さんの御指南を受けたので自信があります」
「近いうちに家に来なさい。ゆっくり指南してあげよう」
「うちの子たちにも指南して欲しいわ」

このような使い方をします。

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「指南」の類義語

「指南」の類義語を集めてみました。

「指導」
「手ほどき」
「教授」
「伝授」
挨拶の言葉に御指導御鞭撻(ごしどうごべんたつ)を使うことがありますが、鞭撻は教えることではありませんので、間違えないようにしましょう。
ちなみに鞭撻とは、鞭を打つことが由来なので、教えを受けることと一緒にしないように気を付けないといけません。

 

まとめ

「指南」の本来の意味は、人を正しい方向へ導くことでした。

方角を指す人形が語源だったので、南という方角が使われたのですね。

もしもその人形が北を指す仕掛けだったのなら、指南ではなく指北になっていたのかも知れません。