「ほんとにあの人は無鉄砲なんだから」とか「もう大人なんだから無鉄砲なことは控えてよ」など、「無鉄砲」という言葉はよく使いますね。
「無鉄砲」と言われる人のイメージは、誰しも想像できると思います。
でも、なぜ「無鉄砲」なのでしょう。
この言葉には、本来はどんな意味があるのか、また語源は何なのか調べてみました。
「無鉄砲」の意味
「無鉄砲」とは、
あと先のことを考えずに、無茶苦茶な行動をすること。
物事の良し悪しも考えずに突き進むこと。
無計画に行動すること。
このような意味です。
よく考えずに思い付きで行動してしまうような人や、先走って行動する人に対して使いますね。
そして、「無鉄砲」を使うのは、このようなタイプの人が後先考えずに行動した結果で失敗したり、痛い目に遭った時などが多いと思います。
「無鉄砲だからこんな結果になった」と、慎重な行動を促すために使われます。
自分自身で「無鉄砲だから」と自慢する人はほとんどいないでしょう。
「無鉄砲」の語源
「無鉄砲」の語源として言われているのは、「鉄砲も無いのに敵に向かう」様子だという説があります。
たしかに、敵に対する時に鉄砲無しは命知らずなので、無計画に行動するという意味に通じます。
ですが、「無鉄砲」の語源に「鉄砲」は関係ないのです。
この「無鉄砲」の「鉄砲」は当て字です。
本来は「無手法」という字を使っていました。
「無手」は、「方法が無い」とか「特技や芸の無い」という意味です。
そこから、何の方法も手段もないのに、行動してしまうことを「無手法」というようになったのです。
いつから「無鉄砲」という当て字が使われるようになったのかは定かではありませんが、インパクトの強さから本来の「無手法」よりも認知度が高くなっていたのでしょう。
「無鉄砲」に通じる言葉
あと先のことを考えずに行動してしまう「無鉄砲」な様子は、他の言葉にも同じような意味が数多くあります。
「恐いもの知らず」や「命知らず」も同じような意味を表します。
とくに「命知らず」という言葉は、命がけの危険なことをあえてするような人に対して使いますね。
「どうしてあんな危険なことをするのか、理解に苦しむ」という意味で「命知らず」と言います。
「向こう見ず」も「無鉄砲」と通じる言葉です。
向かう先に何があるのか考えず、見ようともせず行動してしまう様子を表しています。
いずれも無計画で危険なことを平気でしてしまう人を表す言葉です。
慎重な性格の人には、理解し難いタイプですよね。
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まとめ
「無鉄砲」は正しくは「無手法」だったのですが、今では「無鉄砲」の方が知られるようになっていますね。
「鉄砲」という字が入ったために、「無鉄砲」は勇ましい様子と勘違いしてしまう人もいるようです。
けっして「無鉄砲」は褒められることじゃないので、気を付けて使いましょう。