SNSに海外からメッセージが届きました。
英文ではなく、翻訳された文章で「はじめまして、友達になってください」という短いメッセージです。
それに対して「よろしくお願いします」と返信するためにGoogle翻訳を使ってみました。
日本語も覚束ない身なので、英語はからっきしダメですから、こんな簡単な言葉でも翻訳しないと不安なのです。
「よろしくお願いします」を英訳すると「thank you」の文字が出てきてちょっとびっくりしてしまいました。
![息子](https://kotobanogimon.life/wp-content/uploads/2021/04/男の子.png)
thank youってありがとうって意味じゃないの?
子供にそう聞かれたら、ちょっと困るパパ、ママもいるのでは。
ということで、日本語の「よろしくお願いします」について考えてみました。
「よろしくお願いします」の意味
「よろしくお願いします」は、とても幅広い意味で使われています。
たとえば、「よろしくお願いします」は「宜しくお願いします」と書くことがあります。
「宜しく」とは、程よくとか適当という意味です。
つまり「宜しくお願いします」は「程よくお願いします」という意味ということです。
もともとは「よく願う」の謙譲語が「よろしくお願いします」と考えると、意味は違います。
意味は多少の幅があるとしても、基本的には誰かに何かを頼む時の丁寧な表現です。
気軽な関係では「よろしく」とだけで「お願いします」を外す表現で使うことが多いですね。
「よろしくお願いします」は翻訳できない
日本人にはあまりに当たり前の挨拶の言葉である「よろしくお願いします」ですが、冒頭にもあるように英訳するとthank youでした。
ドイツ語やフランス語、ポルトガル語など他の言語に訳しても、日本語の「ありがとう」の意味の言葉に訳されます。
他に翻訳ではbest regardsやnice to meet youなど、thank you以外の表現もありますが、「よろしくお願いします」をそのままの意味で訳す言葉は他の言語には見つからないようです。
日本語の微妙なニュアンスは、海外の人には難しいと言われるのは、こんな当たり前の挨拶言葉でもそうなのですね。
「よろしくお願いします」の誤用
私たちの日常会話やテレビやラジオなどでも、「よろしくお願いします」は溢れています。
たとえばビジネスシーンでは、「よろしくお願いします」から始まり「よろしくお願いします」で終わると言っても大げさじゃないです。
しかし、あくまでも頼みごとをする時の丁寧な表現なのに、少し違う使い方をする人もいませんか?
![むすめ](https://kotobanogimon.life/wp-content/uploads/2021/04/女の子.png)
たとえば?
物価の上昇によって値上げをする旨を消費者に伝える文言などでは
このように、いかにも丁寧にお願いしているようですが、「値上げは反対します」と言い返せないですよね。
これは、頼みごとをされているわけじゃなく、決定したことをただ伝えているだけなのです。
お願いであれば、断ることができるはず。
ですが、一方的に伝えられているだけなのに「よろしくお願いします」と言われても困ります。
相手が反論できないことには、お願いベースではないので「よろしくお願いします」は適当ではないと感じます。
まとめ
自分の日頃の会話の中に、どれほど「よろしくお願いします」を使っているのか数えたことはありません。
ですが、意識しなければ多用したり、誤用していると思います。
少し言葉の使い方を考えてみるきっかけになりました。