父親が新たな妻を迎えると、母親の立場を継ぐ人のことを継母(ままはは)と言います。
母親の立場を継ぐ人なので、継母という文字は別に何の違和感もありません。
ですが、なぜ「継母」と書いて「ままはは」と読むのでしょう。
「けいぼ」と読むのならわかるのですが、「ままはは」とは疑問です。
なぜ「継母」を「ままはは」と読むようになったのか、その理由を探ってみました。
「継母」とは
「継母」とは、父親の妻であり、血のつながりのない母親のことです。
継母は漢語がもとになっているので、読み方としては「けいぼ」でも間違いではありません。
ではなぜ一般的に「ままはは」と読まれるようになったのでしょうか。
「ままはは」と読む理由
「継母」を「けいぼ」ではなく「ままはは」と読むようになった理由は、漢語と日本の言葉がごちゃ混ぜになってしまったからです。
「ままはは」の意味は、もともとは父親の妻であり、血のつながらない母親のことではありませんでした。
「ままはは」の語源については、いくつかの説があります。
その中でも一番有力だと言われているのが、源頼朝の子供の乳母説です。
高貴な位の人や、力のある武士の家では、子供が生まれても母親が母乳を与えて育児をすることは滅多にありませんでした。
同じくらいに子供を生んで、母乳が出る女性を乳母として雇うのが常識でした。
源頼朝は、鎌倉幕府を開き、征夷大将軍になった人物ですから、その子供にも乳母がついていたのです。
その乳母の名前が摩々(まま)だったのです。
実の母親ではない乳母のことを「ままはは」と呼ぶようになった由来とされているのです。
また、他にも言われているのが、赤ちゃん言葉の「まんま」や「まま」です。
ご飯のことを「まんま」とか「まま」と言うのは、今でもありますよね。
血のつながらない女性が、母親のように子供の世話をするので、「ままはは」と言うようになったという説もあります。
どちらにしても、父親の妻であり、血のつながらない母親という意味ではなかったのです。
いつの間に「継母」が「ままはは」になったのかは不明です。
推測すると、母親がいなくなってしまい、途方に暮れる父親は、子供の世話をしてくれる人を探し、その人を妻に迎えることが多かったため「ままはは」が「継母」になっていったのではないかと・・。
あくまでも推測です。
また、継母から見た子供については継子(ままこ)と言います。
継母が「ままはは」になったことで、このような読み方になったのでしょう。
「継母」と間違えやすい母
血のつながらない母という意味の「継母」ですが、ただ血縁関係がないだけではなく、父親の妻という意味があります。
血のつながらない母親には、義母、異母、養母、乳母があります。
義母は、一般的には配偶者の母のことを指しますが、継母も含まれます。
異母とは、母親の違う兄弟姉妹がいることです。
養母とは、養子縁組した母親のことです。
育ての親のことを養母と呼ぶこともありますので、戸籍上の養子縁組が絶対条件ではありません。
乳母は、子供に乳を与えて母親のように世話をする人のことです。
義母に継母も含まれるのであれば、血のつながらない母親に対しては義母で統一したほうがややこしくないですよね。
継母は、何となく意地悪な印象があるので、誤解されないためにも義母で構わないような気がします。
まとめ
「継母」を「ままはは」と読むのはなぜなのか・・と不思議でしたが、漢語と和語がごちゃ混ぜになってしまったからだったのです。
日本の言葉には、漢語が由来の言葉がとても多いので、他にもきっとごちゃ混ぜになった言葉は数えきれないほどあると思います。
疑問を感じたら、調べてみる価値ありではないでしょうか。