【手鍋提げても】とはどんな意味?どのようなときに使う言葉なの?

ことわざ・慣用句

「手鍋提げても」とはどんな意味なのか知っていますか?

もちろん「手鍋を提げても」という表現は、そのままの意味ではありません。

何かを伝えるために、「手鍋を提げても」という表現になったわけです。

どんな意味があるのか、解説しましょう。

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「手鍋提げても」の意味

「手鍋提げても」とは、貧しいことを表す慣用句の「手鍋を提げる」がもとになっています。

なぜ自分「手鍋を提げる」が貧しいことを表すのかというと、自分で炊事をするのは、つつましく、貧しい暮らしを意味していたからです。

しかし、自分で炊事をすることがなぜ貧しいことを表すのか、理解できない人も多いのではないでしょうか。

ですが、身分の差が今よりもずっと大きかった時代に生まれた言葉だとわかれば理解できるのではないでしょうか。

身分の高い人や、裕福な家に生まれた人は、炊事や洗濯のようなことは自分ではしません。

それどころか、自分の身の回りのことも世話する人がいるような立場の人もいたのです。

そのような人から見れば、自分で炊事をするのは、貧しい暮らしに感じるのでしょう。

さて、「手鍋提げても」の意味です。

好きな男性と一緒になれるのなら、どんなに苦労してもかまわない。

自分で煮炊きをするような、貧乏な暮らしにも甘んじてもよい。

このような女性の気持ちを表す言葉なのです。

「手鍋提げても」を使える女性

「手鍋提げても」を使えるのは、裕福な家、高貴な位の家に生まれた女性です。

自分で煮炊きをした経験もなく、そんなことをする必要もない環境に育った女性だから意味が通じます。

裕福な家に生まれた女性が、貧しい暮らしをしている男性を好きになったとすれば、結婚に反対されるでしょう。

親族はこぞって「なぜそんな苦労する必要があるんだ」と、娘のことを心配するでしょう。

ですが、貧しい生活をしたことがない娘は、好きになった人に夢中で、現実の暮らしのことまで想像できません。

恋をすると、周りが見えなくなり、忠告も耳に入らないのです。

「彼と一緒になれるなら、どんな貧乏でも苦労とは思わない」という気持ちを表すのが「手鍋提げても」という言葉なのです。

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「手鍋提げても」の使い方

「手鍋提げても」の使い方を例文で見てみましょう。

A子が結婚したの知ってる?

え?初耳だよ。

親の反対押し切って、駆け落ち同然で結婚したの。

A子の家って何百年も続く名家でしょ。

そうだよ。
だから親が決めた結婚相手がいたのよ。

うわ、ドラマみたいな話だね。

お金の苦労なんて、一生縁のない暮らしが約束されてたのに、それをすべて捨ててまで一緒になりたい人だったんだよ。

手鍋提げてもその人がよかったんだね。

お嬢様育ちだから、ちょっと心配だけど、幸せになって欲しいわ。

このようなケースで使います。

普通の生活をしていた人でも、すごく苦労しそうな相手との結婚を望む場合には使えます。

起業したばかりで生活が安定しない人とか、収入の浮き沈みが激しい職業の人との結婚への決意を表明する時などには「手鍋提げる覚悟はある」などと使えるわけです。

まとめ

「手鍋提げても」という言葉は、貧富の差、身分の差が激しかった時代にはよく使っていたのではないでしょうか。

結婚の相手も自由に決められなかった時代が長かったからです。

今の時代にも格差はありますが、結婚に関しては身分の違いで諦める人は少なくなったと思います。

結婚の自由が認められる時代に感謝ですね。