【ふだつき】とはどんな意味?不良や悪人につけていた?語源はなに?

ことばの雑学

「ふだつき」と言えばその後に続くのが「ワル」や「不良」ですよね。

「若い頃はふだつきのワルで有名だったんだ」なんて武勇伝を話したがる人もいますよね。

しかしなぜ、「ふだつき」は不良や悪人を表すときに使うのでしょう。

そもそも「ふだつき」とは何が語源なのか、謎です。

「ふだつき」の意味や語源について、解説しましょう。

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「ふだつき」の意味

「ふだつき」とは、悪い評判が高いことを表しています。

「ふだつきの不良」とか「ふだつきの悪人」というのは、周りからの評判もすこぶる悪いことを意味しているのです。

「ふだつき」の語源

「ふだつき」のふだは札という字です。

この文字から語源を想像すると、昔は罪人たちにわかりやすく札を付けていたと考えるのが妥当ですよね。

ですが、語源を調べてみるとそういう由来ではないようです。

「ふだつき」の語源は、江戸時代にまでさかのぼります。

江戸時代には、罪を犯した者への罰は当人だけではなく、その身内や後見人などにも及ぶことがありました。

この制度は連座制というルールです。

罪を犯しそうになった時に、自分の家族まで罰せられると思うと、グッと堪えることができるかも知れません。

そういう犯罪抑止の効果もあったのでしょうね。

また、連座制があることで、身内から犯罪者が出ないように、しっかりと見守ろうという意識も芽生えます。

良い制度かどうかはそれぞれの意見があるでしょうが、その時代には適していたのかも知れません。

この連座制が「ふだつき」の語源に深く関わってきます。

連座制があっても、どうしようもない人間はやはり生まれるものです。

親族などがどれほど厳しくしても、遊び歩いてお金を浪費したりするような者は、「そのうち罪を犯すのではないか」と心配になります。

1人のために親族みんなが罰を与えられるなんて、たまったものではないですよね。

そこで親子の縁を切るための勘当という制度が認められたのです。

勘当した者が罪を犯しても、連座制は適応されません。

「ふだつき」の語源は、勘当されそうな人物をあらかじめチェックするために、人別帳(今の戸籍のようなもの)にわかりやすく札を付けておいたことが由来なのです。

付箋を付けて、勘当の届けが出された時に素早く処理できるようにマークしていたのでしょう。

「○○さんとこの息子は、もうすぐ勘当されそうな不良だよ」という悪い評判が立つと、札が付けられるのです。

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「ふだつき」の類語

「ふだつき」と同じ意味では「悪名高い」がわかりやすいですね。

評判が高い人に対しては名高いと言いますが、悪名高いは正反対の悪い評判が高いことを表します。

「ふだつきのワル」も「悪名高い不良」もどちらも世間の評判がとても悪いという意味です。

まとめ

「ふだつき」の意味は知っていても、語源まで考えたことがなかったので、意外な由来に驚いた方もいるのではないでしょうか。

まさか親子の縁を切るための勘当に関係していたとは・・。

ふだつきの不良だったことを自慢している人は、語源を知るとちょっと恥ずかしくなるかも知れませんね。