「試合の前には必ずかつ丼を食べてゲンをかつぐ」というようなスポーツ選手のエピソードなどでよく聞く「ゲンをかつぐ」という言葉。
いい結果を出した時に身につけていた物を「ココぞ」という勝負には必ず身につけるというようなゲンかつぎもあります。
幸運を引き寄せるというような気持ちでゲンをかつぐのでしょうが、「ゲン」って何なのでしょうね。
「ゲンをかつぐ」の意味や語源、類義語など解説します。
「ゲンをかつぐ」とは
「ゲンをかつぐ」とは、良い結果になることを願って行うことです。
それは神仏に祈願するようなことも含まれますが、一般的には良い結果になったときに行ったことを繰り返すことでまた良い結果になって欲しいという願いから行う行為です。
「ゲンをかつぐ」の語源
「ゲンをかつぐ」の語源を調べてみると、全く同じ意味の「縁起をかつぐ」という言葉が語源であることがわかりました。
幸運や吉運などを縁起と言っていた江戸時代に、関西では縁起のことを「ぎえん」と言い換えていたようです。
関東では「縁起をかつぐ」、関西では「ぎえんをかつぐ」と言っていたのがぎえんがいつのまにか変化して「ゲンをかつぐ」となっていったのです。
ちなみに、「ゲンをかつぐ」を漢字にすると「験を担ぐ」ですが、ゲンを験としたのは当て字でした。
また担ぐのは結果の良し悪しを占うことを意味する言葉です。
「ゲンをかつぐ」のゲンとは、縁起という言葉が語源だったわけです。
「ゲンをかつぐ」の類語
「ゲンをかつぐ」は「縁起をかつぐ」と同じ意味ですが、他にも同じような言葉はあるのか探してみました。
おまじない
おなじないとは、神仏にかかわる儀式のことです。
漢字にするとお呪いと書くので、ちょっと怖いのですが、一般的に使われるおまじないの意味は、ゲン担ぎのようなものです。
ルーティン
ルーティンは習慣的な所作や作業のことを指すルーチン(routine)のことです。
日々の日課という意味ですね。
ただ、最近はスポーツ選手が良い結果を出すために欠かさず行うことに対してルーティンと呼ぶことが多くなっています。
ルーティンを行うことで、精神的な安定を保てることから、良い結果を得られると考えられています。
ゲン担ぎとしてのルーティンの意味が広まっているのです。
ゲン担ぎの例
「ゲンをかつぐ」というのも、人それぞれ色んな方法があるでしょう。
ゲン担ぎと呼ばれるものの一例を集めてみました
・縁起の良いものを食べる
・起床後に寝具を整える
・玄関の掃除をする
・トイレの掃除をする
・翌日の洋服を準備して寝る
・家を出る時は右(左)足から踏み出す
このようなゲン担ぎは、自分だけのルールとして続けることで、気分が落ち着くのかも知れません。
まとめ
「ゲンをかつぐ」の意味や語源について見てきました。
まさが縁起をぎえんと言い換えたのが語源だったとは、驚きましたが、いつの時代も言葉のアレンジは行われていたのでしょう。
ゲン担ぎも人によって変わったものや面白いものがありそうですよね。
あなたにもゲン担ぎはあるでしょうか。