大相撲の世界で問題になった八百長疑惑ですが、相撲界だけじゃなくプロスポーツでは時々問題になりますね。
八百長の意味はみなさんご存じの通り、わざと負けることです。
実力を発揮すれば勝てるはずなのに、わざと負けることでメリットがあるからです。
金銭のやり取りがあるなど・・が疑われます。
プロスポーツは、観客によって支えられているので、真剣勝負を見せないのは裏切り行為です。
八百長疑惑がかけられると、その業界から追放されてしまうこともあるほど、厳しい目が向けられるのです。
さて、この八百長ですが、語源は何なのでしょう。
今回は八百長の語源について調べてみました。
八百長の語源とは
八百長の語源は、八百屋を営んでいた長兵衛という人物の名前が由来になっていると言われています。
八百長という言葉が生まれたのは明治時代ですから、八百屋の長兵衛さんも明治の人です。
そもそも勝負にわざと負けることを表す隠語に、八百屋さんの名前が使われたのはなぜなのか不思議ですね。
伝わっている説では、八百屋の長兵衛さんは囲碁が強い人だったことが関係しているようです。
長兵衛さんは、相撲好きでした。
その当時の年寄だった伊勢ノ海とよく碁を打っていたそうです。
囲碁の腕前では、長兵衛さんの方が圧倒的に強くて、普通に対戦すれば長兵衛さんが連勝してしまいます。
長兵衛さんは、手加減をして伊勢ノ海に勝たせたりしながら、互角の勝負をしているように気を使っていたのです。
長兵衛さんの囲碁の腕前を知っている人が見れば、明らかにわざと負けているのです。
それがわざと負けることを八百長という隠語で表す語源になったのだと伝わっているのです。
明治時代の話なので、それほど古い歴史ではありませんので、語源となったのは間違いないのでしょう。
八百長と無気力相撲の違い
相撲界で八百長疑惑が問題になる前にも、無気力相撲という耳慣れない言葉がマスコミに取り上げられたことがありました。
これは、まるで勝負する気持ちが見えない様子=無気力な相撲ということです。
じつは、これも八百長疑惑と重なります。
相撲界では、片方だけが負けるように仕組まれた片八百長というのがあったそうです。
なぜ相撲界では何度となく八百長問題が浮上するのか、相撲に詳しい人ならご存知でしょう。
ほとんどは、金銭が絡んでいると言われています。
ただ、ごくわずかでしょうが、同部屋対決で勝利を譲るように指示されることなども疑われていました。
大相撲の世界では、番付の順位によって大きく収入も違うので、同僚に情けをかけたくなる力士もいるかも知れません。
個人対決なので、団体スポーツよりも八百長疑惑が生まれやすいのではないでしょうか。
相撲界から生まれた言葉
相撲は日本の国技なだけに、歴史があります。
長い相撲の歴史の中から生まれた言葉は、八百長のほかにもあります。
今では相撲とは全く関係なく使われる言葉もあるのですよ。
ガチンコ
真剣勝負のこととして使われているガチンコという言葉も、相撲の世界から生まれました。
相撲の稽古では、激しくぶつかり合いますが、この時に鈍い音がするのです。
その音からガチンコという言葉が生まれたと言われています。
相撲界以外でもガチンコが使われるようになったのは、プロレスが早かったようですね。
それは、元力士だったレスラーがプロレス界で使ったのが始まりだと言われています。
その人物は、プロレス人気の立役者と言われている力道山です。
現在では、「本気」や「真剣」という意味で「ガチ」と言いますが、ガチンコがもとになっているのですね。
しょっぱい
しょっぱいとは、塩辛いという意味です。
しかしスポーツなどでは「しょっぱい試合」など、試合内容が悪かった時などに使われる言葉となっています。
プロレス界が「しょっぱい試合」のきっかけだという説もありますが、由来は相撲界です。
ご存知のように、相撲の取り組みの前には土俵に塩をまきます。
負けて手をついたり、土俵に倒れてしまえば体中に塩がついてしまいます。
そこから「下手」とか「つまらない」いう意味を込めて「しょっぱい」と言われるようになったようです。
じつは、この「しょっぱい」から新たに生まれたのが「塩対応」という説もあります。
退屈な内容のことを「しょっぱい」と表現することから、素っ気ない対応をすることを「塩対応」と言うようになったと言われているのです。
ほんとうに塩対応の語源が相撲界から生まれた「しょっぱい」なのかどうかは、ハッキリ断言はできませんが、そういう説があるのはたしかです。
まとめ
「八百長」の語源になったとされる八百屋の長兵衛さんは、気を使ってわざと互角の勝負をしているようにしていたのに、すっかり悪い言葉の語源になってしまったのは不本意でしょうね。
きっとあの世では、八百長疑惑が起こるたびに、嫌な気持ちになっているのではないでしょうか。