ワンマンと言えば「ワンマンライブ」や「ワンマンな経営者」「ワンマンバス」などが思い浮かびます。
ワンマンの使い方がバラバラなので、意味が統一できないような気がしませんか?
そもそも「ワンマン」は英語として使われている言葉なのか、それとも日本で作られた和製英語なのでしょうか。
ワンマンの使い方が間違っているのではないか・・という疑問がわいてきたので、調べてみました。
疑問に感じたことがある方は、一緒に考えてみましょう。
ワンマンの意味とは
「ワンマン」をそのまま英語で表記すると、one-man です。
直訳すれば、一人の男ですね。
英語では、性別に限定せずに「一人だけ」とか「単独」を表す言葉です。
ということは、日本で使われている「ワンマン」は英語としては通用しないのではないかと思うのです。
「ワンマン」は独裁的なふるまいという意味として使うのが一般的です。
ワンマン経営者は独裁的な経営方針をする経営者。
ワンマンな人は人の意見を聞き入れずに思い通りにふるまう人のこと。
このような意味として「ワンマン」が使われています。
英語のone-manと日本語のワンマンでは意味が違うので、やはりカタカナで表すワンマンは日本独自の言葉として定着しているようです。
ワンマンの語源
日本で「ワンマン」という言葉が、現在のように独裁的な意味として使われるようになった由来は、マスコミからだと言われています。
諸説あるのですが、一説には昭和20年代に総理大臣だった吉田茂のあだ名だったと言われているのです。
吉田茂の政治手腕がかなり強引だったようで、側近たちに相談するよりも一人で決断することが多かったイメージだったのです。
そのやり方からワンマンと呼ばれるようになり、それが独裁的な人を表す言葉になっていったと伝わっているのです。
昭和20年代のことなので、記録も残っているでしょうから、全くのデタラメではないと思うので、有力な語源の由来ではないかと思います。
ワンマンバスとは
街中を走っているバスはワンマンバスと表示されています。
この場合のワンマンは、日本特有の使い方です。
なぜワンマンバスと表示するのかと言えば、もともと路線バスなどは運転手と車掌が2人で業務にあたっていたからです。
運転手の仕事は運転だけで、車掌が乗車切符の発行や料金の受け取り、乗客への案内などを行っていました。
しかし、自動で乗車切符が発行されるようになり、また乗車料金の支払いの機械化などにより車掌の仕事はなくなります。
運転手1人だけでバスの運行業務を行うようになったので、ワンマンバスと呼ばれるのです。
独裁的なことを表すワンマンとは、全く意味が違います。
本来の英語のone-manの意味に近いのは、ワンマンバスなど本来は2人以上で行っていたことを1人ですることなのではないでしょうか。
ワンマンライブとは
ライブハウスなどで複数のバンドやミュージシャンが順番に舞台に出て演奏するのを対バンと言います。
これに対して、単独のステージをワンマンライブとかワンマンショーと言います。
この場合のワンマンは、独裁という意味ではなく、ほかのアーティストが出演しないことです。
ただ対バンの場合は、ほかのバンドの演出などを考えながら全体のバランスをとる必要があるなど、自分たちだけの希望が通るわけではありません。
単独で行うワンマンライブでは、自分たちの考えで演出を考えられるので、そういう意味で思い通りになるのではないでしょうか。
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まとめ
ワンマンには、いくつかの意味があるのですが、日本だけでしか通じない和製英語として広まっています。
独裁的という意味が広く浸透しているため、ワンマンライブやワンマンバスの意味に疑問を感じてしまう人もいるでしょう。
1つの意味だけではないことがわかれば、疑問も解決しますね。