「嫁の朝立ち娘の夕立ち」ということわざを聞いたことがありますか?
このことわざには、娘であり嫁でもある1人の女性の気持ちが込められています。
どのような意味が込められているのか、「嫁の朝立ち娘の夕立ち」について詳しく解説しましょう。
「嫁の朝立ち娘の夕立ち」とは
「嫁の朝立ち娘の夕立ち」は、嫁ぎ先から実家に里帰りするお嫁さんの気持ちを表しています。
里帰りする日は、朝早くからそわそわしながら支度していそいそと出かけるのに、実家から嫁ぎ先に戻るのは夕方になって重い腰を上げてしぶしぶ帰る。
そんな様子を表しています。
嫁ぎ先では、姑や舅に気を使い、夫を支えるために忙しく家を切り盛りするのが嫁の務めです。
ですが、実家に帰れば娘として親に甘えることができます。
気を使うこともなく、のんびりと過ごせる実家はまるで天国のような場所です。
嫁ぎ先とは違い過ぎて、帰りたくなくなるのも仕方ないことです。
嫁として、日々を忙しく過ごしている女性なら、共感できる言葉でしょう。
里帰りの今昔の違い
核家族が当たり前になった今の時代では、里帰りと言えば夫の実家に帰省することだと思う人も増えています。
たしかに夫の実家へ帰省するのも、里帰りと言えなくはないです。
ですが、夫の実家へは帰省するのに、嫁の立場になると自分の実家にはなかなか帰省させてもらえないケースもあります。
それでも、里帰りのハードルは昔とは違います。
明治時代までさかのぼらなくても、お嫁さんが実家に帰るのはお産の時と冠婚葬祭以外は許されなかったケースも少なくありませんでした。
嫁の立場になると、家族の食事の支度など家事全てを担うので、気軽に里帰りすることもできなかったのでしょう。
「嫁の朝立ち娘の夕立ち」のような言葉が生まれたのも、簡単に里帰りが許されないからこそではないでしょうか。
里帰りは世間体が悪かった
今では、里帰りが気軽にできないなんて信じられないでしょう。
それどころか、少子化の影響で、娘が嫁いでも実家の近くに住まわせようとする親も増えています。
ですが、結婚したはずの娘が実家に長く滞在していれば、今でも隣近所が詮索するかも知れません。
昔は今の何倍も隣近所の目を気にしたでしょう。
バツイチが珍しくなくなった今とは違うので、世間的が悪くなるのを嫌がったのかも知れません。
そのため、娘が里帰りするのは嬉しい反面、長居はさせない親も多かったようです。
実家に入り浸って、何か月も家を空ける実家依存の既婚女性が増えているなんて、考えられなかったのではないでしょうか。
だからこそ、やっと里帰りできる時には嬉しくて「嫁の朝立ち娘の夕立ち」という様子になるのでしょうね。
まとめ
「嫁の朝立ち娘の夕立ち」という言葉の意味を知り、共感する女性がどのくらいいるでしょう。
気軽に実家に帰れないなんて、想像もできないという人の割合は、どんどん高くなっていると思います。
いい時代ですよね。