「どうしてあなたはいつもつっけんどんな態度なの?」と言われて喜ぶ人はいないですよね。
「つっけんどん」は、関東の方言という説もありますが、とくに方言ではなく広く使われている言葉でした。
使う世代は少なくなっているようですが、意味としては何となくわかる人の割合がまだ過半数を占めるのではないでしょうか。
「つっけんどん」の意味
「つっけんどん」の意味を調べてみました。
相手に敵意があると思われるほど、言葉や行動が冷淡であったり、ぶっきらぼうな様子。
とあります。
皆さんが思っている通りですよね。
ぶっきらぼうな態度とつっけんどんな態度は、同じ意味として考えればいいわけです。
「つっけんどん」の語源
敵意を感じさせるほど冷淡な態度のことをなぜ「つっけんどん」と表現するようになったのか、語源となった由来は、「けんどん蕎麦」という蕎麦屋がもとになったと言われています。
由来を調べると蕎麦の歴史とも深い関係があるようです。
江戸時代に庶民の間では蕎麦が流行ります。
けんどん蕎麦とは、一杯ずつ切り盛りして売る蕎麦のことです。
安い蕎麦を切り盛りして、不愛想に振舞う様子から「つっけんどん」という言葉が生まれたと言われています。
けんどんの意味
「つっけんどん」の語源がけんどん蕎麦だったとして、そもそも「けんどん」とは何なのか疑問が湧いてきます。
そこで「けんどん」について調べてみると、2つの意味があることがわかりました。
1つは倹約饂飩(うどん)の略で倹飩(けんどん)です。
関西では蕎麦よりうどんを食べる食文化でした。
倹飩箱という器に入れて出前をしていたのが、江戸では蕎麦に代わったのです。
もう1つは慳貪(けんどん)です。
慳貪とは、欲が深くてケチなことや、出し惜しみすることを表す言葉です。
倹飩も慳貪も、どちらも「つっけんどん」の語源に無関係ではないのですね。
「つんけん」との関係
「つっけんどん」と似ている言葉に「つんけん」があります。
「つんけんしている」とか「つんけんした態度」など、「つっけんどん」よりも使われているような気がします。
じつは筆者は「つっけんどん」の語源がけんどん蕎麦だと知らなかった時には、「つんけん」が語源だと思い込んでいたほどです。
「つんけん」の意味は、
言葉や態度にとげとげしさが感じられる。
不機嫌さが露骨に表れている様子。
ですから、かなり「つっけんどん」と似ていると思います。
あえて違いを探そうとしても、同じような意味にしか感じません。
強いて言うなら、「つんけん」の方が、相手に対する感情が表れているような印象を受けます。
まとめ
「つっけんどん」の意味はわかっていても、語源がまさか蕎麦屋だったとは知らなかった人もいると思います。
蕎麦屋の店主の不愛想な態度から、新たな言葉を生み出すなんて、当時の江戸の人たちも今の時代の若者と変わらないと思います。
しかし、江戸時代に生まれた言葉が数百年後も使われているのですから、それはスゴイことです。
今の流行語は数年で消えていく言葉が多いので、もっと後の世まで残るような言葉を生み出せるといいですよね。