「垣堅くして犬入らず」という言葉には、どのような意味があるのかご存知でしょうか。
言葉の意味のままでは、伝えようとしていることがわからないですよね。
慣用句やことわざには、犬や猫のような身近な生き物を使っているものが多いので、「垣堅くして犬入らず」も犬とは直接関係のない言葉なのです。
どのような意味なのか、またどのような使い方をするのか、詳しく見ていきましょう。
「垣堅くして犬入らず」の意味
「垣高くして犬入らず」は、
家庭がしっかりしていれば、それを乱すような者が外部から入ってくることはないということのたとえ。
という意味があります。
垣とは垣根のことです。
自分の家の敷地を囲むように、樹木で作る生け垣や、木材や土壁などで作る塀のことです。
目隠しの目的や外部からの侵入を止めるための防犯のために作られます。
「垣堅くして犬入らず」とは、家を守る垣根がしっかりと頑丈に作られていれば、犬が簡単に敷地の中に入り込めないことをたとえにしているわけです。
垣堅くして~の垣とは、家庭の円満度のことです。
家庭の中がギクシャクしていると、家族同士の気持ちが離れて溝ができます。
そこに悪い誘惑などが入り込みやすくなるので、家庭円満であることがいかに大切なのか伝えるための言葉なのです。
「垣堅くして犬入らず」の使い方
「垣堅くして犬入らず」の使い方を例文で見てみましょう。
例文①
部長が地方に飛ばされた理由知ってる?
何か大きな案件で失敗したとか噂されてるよね。
じつは、秘書の女性との関係が奥さんにバレたらしい。
それでなのか・・。
あんなに仕事ができる人なのに勿体ないよね。
部長になるまで長期出張も多くて単身赴任もしてたから、家庭内に居場所がなかったのかも知れない。
垣堅くして犬入らずとはいかなかったのか。
例文②
向かいの○○さんの家は、いつも賑やかで楽しそうな声が聞こえるな。
ほんと、いつも笑い声が絶えない家よね。
でも、○○さんの家業はけっして順調じゃないはずなのに・・。
大変なんだろうけど、あんなに幸せそうなら、きっと大丈夫な気がするわ。
そうだな。
垣堅くして犬入らずというから、悪いことにはならないと思うよ。
「垣堅くして犬入らず」の類語
「垣堅くして犬入らず」に通じる意味のある言葉を探してみると、「大黒柱を蟻がせせる」という慣用句が見つかりました。
大黒柱とは、その建物を支える柱のことです。
一番重要な柱なので、頑丈で太い木材を使います。
その大黒柱は、蟻がかじったくらいではビクともしません。
垣がしっかりしていれば大丈夫!という意味に通じる言葉です。
ですが、「大黒柱を蟻がせせる」という言葉の意味は、もう一つ違う意味があります。
「大黒柱に蟻がせせる」とは、力の弱いものが、強いものに向かっていくことや、実力に相応しくない大仕事に取り組むことのたとえの意味もあるのです。
まとめ
「垣堅くして犬入らず」のように、言葉をそのまま聞いただけでは、すぐに意味が理解できない慣用句は数多くあります。
大人になっても知らない言葉はたくさんあるので、興味を引いた言葉は使いこなせるようになるといいですよね。