「場当たり的な~」という表現は、報道番組のコメンテーターや評論家などが使うのを耳にします。
言葉の意味をとくに教わった記憶もないですし、辞書で調べたこともないのですが、何となく想像はできます。
ただ、私たちの生活の中では「場当たり的」とはあまり使わないような気がします。
会話の中に「場当たり的」という言葉が出ることは、滅多にないと思います。
この言葉、いったいどんな場面で使うのが正しいのでしょう。
意味や使い方、語源や類語など調べてみました。
「場当たり的」の意味
「場当たり的」は、
何かに直面した時に、そのときに思いついたままに行動すること。
事前に計画したり、準備をしないこと。
という意味の言葉です。
ひとつ不思議なのは、なぜ「場当たり」ではなく「場当たり的」なのか・・。
この疑問については、語源を調べてみると理解できると思われます。
「場当たり的」の語源
「場当たり的」はなぜ「的」がつくのかという疑問は、「場当たり」という言葉が演劇など人前で行うことが語源だからなのです。
そもそも「場当たり」とは、その場で機転をきかせて面白おかしくして、その場を盛り上げるという意味の言葉だったのです。
現在ではアドリブという表現が一般的です。
演劇の世界では、台本も設定もなく、その場で演者が思いついたまま演じる即興芝居(エチュード)と呼ばれるものがあります。
場当たりは、その場で思いついたことをするという意味なので、重なる部分もありますが、場当たりの方が限定的な意味なのです。
つまり、その場の思い付きですることなので、わざわざ「場当たり的」と「的」を付けなくても良さそうなものですが、あえて付けるのは批判的に使うためだと考えられます。
本来の「場当たり」は、機転をきかせることなので、良い意味の言葉です。
その場の思い付きで行動すること、また計画も準備もしないという部分だけを使いたいので「場当たり的」と言われるようになったと考えられます。
「場当たり的」の使い方
「場当たり的」の使い方を例文で見てみましょう。
このように、「場当たり的」を使って何かを伝えようとする時は、良い意味ではありません。
「場当たり的」の類語
「場当たり的」と似ている意味の言葉を集めてみました。
・急場しのぎ
・一時しのぎ
・当座しのぎ
このように、「今だけ何とかなればいい」という考え方を表す言葉は、「場当たり的」と重なる部分はあると思います。
「行き当たりばったり」という言葉も、「場当たり的」に通じるところがあります。
計画もなく、その場の成り行きに任せることなので、かなり近いのではないでしょうか。
まとめ
「場当たり的」とは「場当たり」という言葉を用いて、その場の思い付きで行動する様子を批判する意味で使うようになったわけです。
日常の会話ではあまり使いませんが、計画性のない行動で周囲を困らせるような人に使ってみても良いのではないでしょうか。