「熟れて後は薄塩」という言葉を知っていますか?
食べ物に関することかな・・。
料理に関することっぽいよね。
そんな想像をする方も多いのではないでしょうか。
ですが、ことわざや慣用句というのは、何か伝えるための例えとして様々なものが使われます。
「熟れて後は薄塩」にも、きっと何か意味が潜んでいるのでしょう。
どのような意味なのか、語源や由来などもご紹介します。
「熟れて後は薄塩」の意味とは
「熟れて後は薄塩」の意味は、2つあると言われています。
1つ目は、
人との付き合いにおいて、お互いに馴れたあとには、適度な距離を保った方が上手くいく。
という意味です。
人間関係の難しいところを表していますね。
知り合って間もない頃は、近い距離感で付き合っていても、相手のイヤなところも見えません。
また、相手に気を使うのでケンカなども起こりにくいものです。
ところが、馴れ親しんだ関係になると、遠慮もなくなります。
それがもめごとの原因を作りやすいので、適度な距離を保つ方が良いというわけです。
そして2つ目は、
人との付き合いは、最初が肝心だから、初めから甘い顔を見せない方が良い。
という意味です。
知り合ったばかりの時は、「この人はちょっと厳しい人かも」と思わせるようにすると、親しくなっても、節度のある態度で接してもらえるからです。
どちらの意味も、人との付き合い方のポイントを伝える意味なのですね。
「熟れて後は薄塩」の由来
人との付き合い方のコツを教える意味の「熟れて後は薄塩」という言葉。
しかしなぜ、人との付き合い方に「薄塩」という塩加減が使われるのか疑問です。
この言葉の由来を調べてみると、漬物の漬け方が由来であるとわかりました。
漬物にも色んな種類がありますが、この言葉の由来は「塩漬け」のことではないかと思われます。
塩漬けは、野菜の水分を排出させ、野菜の栄養素が排出されるのを防ぎます。
ぬか漬けや味噌や醤油などを使って発酵させる漬物よりも、短い時間で漬かるので手軽に食べられます。
漬物初心者にも簡単に作れるのですが、ひと手間かけると美味しさがより一層増すようです。
そのひと手間というのは、はじめは塩分濃い目で漬けて、ある程度漬かってからは、薄めの塩分濃度で漬け直すと美味しくできるからです。
この漬物のコツが、人との付き合い方のコツを表す言葉に使われているのですね。
「熟れて後は薄塩」の使い方
「熟れて後は薄塩」の使い方を例文で見てみましょう。
例文①
そう言えば、最近あまりA子さんの話を聞かないわね。
そうね。
何かあったの?
そういうわけじゃないよ。
あんなに毎日一緒にいたから、ちょっと心配しちゃったわよ。
一緒に行動し過ぎたかもね。
まあ、熟れて後は薄塩って言うから、少し距離をとることもずっと付き合っていくには必要なことよ。
例文②
君は自分にも人にも厳しいタイプなんだね。
え?そうですか?
ああ。
さっき後輩に指示をする時の態度を見ててそう思ったよ。
新人の頃に甘い顔ばかり見せてしまうと、仕事に対しても甘えてしまうそうなので。
なるほど。
熟れて後は薄塩ということだな。
それは良いことだと思うよ。
ありがとうございます。
まとめ
「熟れて後は薄塩」の意味は、人との付き合い方のヒントだったのですね。
そして、漬物を漬ける時の塩の使い方が由来になっているというのも、面白いです。
人付き合いのヒントも、漬物の漬け方も、どちらも役に立ちますよね。