「瓜の皮は大名に剥かせよ、柿の皮は乞食に剥かせよ」ということわざを知っていますか。
大名もいないし、乞食という言葉も使わなくなった今の時代には、ほとんど聞かれなくなったことわざです。
どんな意味があり、どのような使い方をするのか解説しましょう。
「瓜の皮は大名に剥かせよ、柿の皮は乞食に剥かせよ」とは
「瓜の皮は大名に剥かせよ、柿の皮は乞食に剥かせよ」とは、
瓜の皮はかたいので、皮を剥く時には分厚く剥いた方が良い。
そして、柿は皮に近いところに豊富な栄養を含んでいて、甘さもあるので、薄く剥いた方が良い。
という意味を含んでいます。
大名は少しでも多くの実を食べようとして、皮を薄く剥くこともないから、かたい皮の瓜は大名のような人に剥かせる。
そして乞食は食べ物を惜しむので、柿のように薄く剥いた方が良いものは乞食に剥かせる。
そういう意味なのですが、大名が瓜の皮を剥くことなんてありませんし、乞食が柿を食べるのにわざわざ皮を剥くこともないでしょう。
つまり、大名のように大胆に皮を剥くような性格の人に瓜を剥かせて、少々の食べ物も大切に扱うような性格の人に柿を剥かせるべきだということです。
瓜や柿の皮を剥く時だけじゃなく、仕事を振り分ける時には、その人の性格をよく見て適材適所で任せることを示していることわざなのです。
同じ意味を持つ言葉
「瓜の皮は大名に剥かせよ、柿の皮は乞食に剥かせよ」と同じような意味のことわざは他にもあります。
「魚は上臈(じょうろう)に焼かせよ、餅は下種(げす)に焼かせよ」は同じ意味です。
上臈というのは、高貴なご婦人のことです。
下種とは身分の低い者のことで下衆と書くこともあります。
魚を焼くのと餅を焼くのは、焼き方のコツが違います。
魚を焼くのは、じっくりと丁寧に焼かなければ身が崩れてしまいます。
餅はせっかちに何度もひっくり返しながら焼いた方が焦げ付かずにきれいに焼けます。
どんなことにも、向いている人がいるという意味なのです。
使い方
「瓜の皮は大名に剥かせよ、柿の皮は乞食に剥かせよ」の使い方を例文で見てみましょう。

新人研修が終わったから来週から新入社員がうちの課にも配属されるよ。

課長が上手く仕事を振り分けられるか心配だな。

そうだね。
適材適所で仕事を任せるのが苦手な課長だから。

「瓜の皮は大名に剥かせよ、柿の皮は乞食に剥かせよ」ってことわざのように、得意不得意を見て仕事を振り分けてくれないと困るよ。

新人に仕事を教えるぼくたちが苦労するんだよね。

それも仕事だと思ってガマンしないといけないのか・・。
このような使い方をします。
まとめ
「瓜の皮は大名に剥かせよ、柿の皮は乞食に剥かせよ」は瓜と柿の特徴から生まれたことわざです。
どんな人にも向いている仕事があるはずなので、適した人を適した役割を与えることの大切さをわかりやすく伝えているのでしょう。