一人口は食えぬが二人口は食えるとは、独身の人に結婚をすすめる時に使われることわざです。
でも、意味としてわかりにくいことわざなので、これから結婚を考える年齢になる世代にはピンとこないのではないでしょうか。
一人口は食えぬが二人口は食えるということわざの意味について考えてみましょう。
一人口は食えぬが二人口は食えるの意味
一人口は食えぬが二人口は食えるということわざの意味は、独身者はお金の使い方が荒くなることがあり、ムダなことに使ってしまうので、結局はお金が残らずに苦しい生活をすることになってしまう。
そんな懐事情ではとてもお嫁さんなんて迎えることはできないと思い込んでいても、実際には結婚した方がやりくりに工夫をしたりするため、少ない稼ぎでも何とかやっていけるものだということを教えることわざです。
確かに独身者は自分のためだけにお金を使うことができるので、ムダな使い方をしても誰にも文句を言われません。
苦しい生活になっても、自分だけがガマンすれば済みます。
しかしお嫁さんを貰ったら、今まで通りにはいきません。家族を養うために仕事も頑張るようになれば、やりくりの工夫に加えて余裕も生まれるので、一人でいるよりも二人になった方が生活がラクになることもあるからです。
落語ではよく使われることわざ
一人口は食えぬが二人口は食えるということわざは、縁談をすすめる時などに使います。
現代のように、婚活サイトとか、お見合いパーティーなんてない時代は、近所の世話好きの人や、長屋の大家さんなどが独り者の縁談の世話をしたようです。
古典落語の世界でも、一人口は食えぬが二人口は食えるということわざを聞く場面がよくあります。
有名なのは「垂乳根(たらちね)」という噺です。
独り者の大工の八五郎に縁談話を持ってきた長屋の大家さん。
しかし八五郎は、一人で暮らすのに精一杯で、嫁を貰っても養う自信がないと尻込みします。
すると大家さんが「心配ないよ、一人口は食えぬが二人口は食えるって言うだろう」と強く結婚をすすめるわけです。
未婚率の上昇に歯止めを打つためにも
昔の価値観では、独身のままでいると一人前と認めてもらえないので、早く所帯を持って身を固めさせようと周囲からもうるさく言われました。
しかし現代は晩婚化がすすみ、未婚率は増加しています。
その理由には、生き方の多様化もありますが、非正規雇用で働く人が多くなり、格差が広がって低所得者層が増えていることが大きな要因と言われています。
同じ年齢でも、正規で働く人と非正規雇用者では、年収にして100万円以上の差が開いています。
結婚しても夫婦がフルタイムで共働きじゃなければ、平均的な生活をすることができないような時代です。
一人口は食えぬが二人口は食えるということわざが、この時代にも通用するなら、生涯未婚率の症状を止めることもできるのでしょうが、今の時代には通用しないのかも知れませんね。
まとめ
一人口は食えぬが二人口は食えるということわざになるほど・・と納得することもあります。
家賃、光熱費、通信費などは独身者がそれぞれで暮らしているよりも、二人で一緒に生活した方が節約できます。
結婚に対して経済的な不安のある人には、一人口は食えぬが二人口は食えるという考え方もあると伝えてみるのも良いのかも知れません。