【一引き二才三学問】ということわざはどんな意味があるの?

ことわざ・慣用句

「一引き二才三学問」ということわざを知っていますか?

「一富士二鷹三茄子」のようなことわざとは違い、深い意味を持っていることわざです。

今の世の中にも十分に通じることわざですから、ぜひ意味や使い方をおぼえてみましょう。

「一引き二才三学問」の意味や使い方を詳しくご紹介しますね。

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「一引き二才三学問」とは

「一引き二才三学問」とは、

出世するためには、まずは上の立場の人から気に入られて引き上げられること。

そして次に才能が必要。

三番目になってやっと、自分自身の勉強や努力をしているかどうか。

という意味です。

出世するためには、どれほど才能があっても、どれほど頑張って勉強しても、まずは上の人から引き上げてもらえなければ難しいということです。

つまり、才能や勉強よりも上の人と縁故があったり、上手く上の人に可愛がられるように立ち回れる人間の方が出世するというこの世の中への皮肉や批判も込められています。

社会を上手く渡っていく上で、必要なことは何かを教えていることわざです。

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「一引き二才三学問」と似ていることわざ

「一引き二才三学問」と同じような意味のことわざに、「一引き二運三器量」というのがあります。

このことわざは、男性社会よりも、女性社会に当てはめて使われることが多いようです。

例えば江戸幕府が盤石なものになる基盤を築くために、三代将軍徳川家光の乳母である春日局がシステム化した大奥です。

大奥では、千人を超える女性が働いていました。

その女性たちは、たった1人の将軍に仕えています。

将軍に気に入られ、側室となり、子供を産めば大出世ですから、みんな将軍の目にとまるように必死です。

ですが、ほとんどが将軍と言葉をかわす機会もありませんから、まずは上の人に気に入られなければなりません。

そうなるためには、容姿(器量)よりも運が必要だということなんです。

つまり、男女に共通しているのは、出世に一番重要なことは、上の人から引き上げられることなので、そのポイントを押さえておかないといけませんね。

「一引き二才三学問」の使い方

「一引き二才三学問」の使い方を例文で見てみましょう。

どうしていつも重要な仕事はあいつばかりなんだろう。

なんかムカついてるみたいだね。

ムカつくというより、不思議なんだよ。
同期なのに、重要な仕事はBばっかり。
あいつよりも上手くできる自信はあるんだけど、どうしてだろう。

そうだね。
たぶん、Bさんよりも上手くできると思う。
海外との交渉もBさんじゃダメでしょ。
英会話のスキルだって、くらべものにならないし。

そうだよね。
なのにどうしてあいつなんだ?

それは、Bさんが部長に気に入られているからでしょ。
「一引き二才三学問」の典型だと思うよ。
だってBさんのお父さん、○○商事の取締役なんだって。

そうだったのか。
縁故入社なんて知らなかった。

だから、どんなに頑張っても敵わないよ。
そこは割り切って考えないとね。
逆にBさんとめちゃ仲良くなっておけば、後々いいことあるかも。

 

さすが。

こんな場面で使えるのではないでしょうか。

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まとめ

「一引き二才三学問」の意味を知ると、やっぱりこの世の中は努力よりも才能が必要であり、その才能よりも上の人からの引き上げの方が大きいのですから、がっかりしてしまいます。

でも、勉強したことはきっと無駄にはならないと信じないといけませんよね。