「すまじきものは宮仕え」ということわざを聞いたことがありますか?
宮仕えとは、今でいうところの役所など公的な職に就く人のことです。
ざっくり言えば公務員ですね。
公務員という職業は、親が子供にすすめる職業ですよね。
とりあえず公務員になってくれれば、将来は安定しているから親は安心できると大人は考えるからでしょう。
「すまじきものは宮仕え」は公務員などの役人という仕事に対する考え方を伝えることわざです。
意味や使い方を解説しましょう。
「すまじきものは宮仕え」とは
「すまじきものは宮仕え」とは、
人に仕えて、人に使われる仕事というのは、色んな苦労があるから、そういう仕事はしなくて済むのなら、しない方が良い
という意味です。
宮仕えというのは、一般的には役人、公務員というイメージがあります。
もともと宮仕えとは、宮中で働く人や、高貴な位の人(貴族)の屋敷で働く人のことを示していました。
公務員のことを宮仕えというのは、そういう由来があるからです。
ですが、広い意味では人に使われるのは会社員も同じです。
起業して、人に使われない働き方をした方が気苦労が少ないということを伝えているわけです。
今の時代は、安定した仕事に就くことすら難しいので、親は子供の将来を心配して公務員になって欲しいと願いますが、宮仕えだから苦労しないわけじゃないですよね。
宮仕えの苦労
「すまじきものは宮仕え」ということわざは、公務員の苦労を垣間見るニュースが流れる度に感じる人もいるでしょう。
この数年来、国会を揺るがすような出来事が問題になるたびに、官僚という国家公務員が批判にさらされています。
出世のために上の立場から命令されるままに仕事しているのでしょうが、何か問題になると真っ先に責められ、責任を取らされるのは官僚です。
そういうニュースが増えれば、「すまじきものは宮仕え」ということわざに納得してしまいます。
「すまじきものは宮仕え」の使い方
「すまじきものは宮仕え」の使い方を例文で見てみましょう。
A男の就職活動は上手くいっているのか?
まだ内定が1つもなくて本人も焦っているわよ
まあ、どうしようもなくなったら自衛隊という道もある
あの子が自衛隊なんて無理よ
鍛えてもらえるし、色んな資格も取れるし、貯金もできるから安心だぞ
そんな良いことばかりじゃないでしょ
「すまじきものは宮仕え」ってことわざもあるけど、自衛隊員も公務員なんだから苦労もあるわよ
仕事に苦労はつきものだぞ
それはそうだけど、上下関係とか厳しそうだから心配よ
このような場面で使えます。
公務員は安定、安全な職業というイメージがいつまで通用するのかわかりませんが、今はまだ公務員に安定を感じる人もいます。
そういう人には、このことわざはあまり理解されないかも知れませんね。
まとめ
誰かに仕えて仕事をするののはたしかに苦労はありますが、経営者になっても結局は取引先やお客様などと接する苦労もあります。
どんな立場にも苦労はあるのですよね。
それでも「すまじきものは宮仕え」ということわざが生まれたのですから、宮仕えという立場の人がいかに気苦労の多い仕事だったのか想像してしまいますね。