一口両舌(いっこうりょうぜつ)という四字熟語を知っていますか?
一文字ずつ見れば、難しい文字ではないですから、意味もそれほど難しいものではなさそうですよね。
なのにあまり使われていない言葉です。
口や舌が入っているから、おしゃべりのことじゃないのかな・・。
そう思う人が多いでしょうね。
一つの口なのに、舌が両側についているほど言葉が達者とか?
なるほど、そういう解釈をする人もいるのかも知れません。
一口両舌の意味や使い方、類義する言葉などを調べてみましたので、参考にしてください。
一口両舌の意味
一口両舌の意味は、
前に言っていたことと、後になって言っていることが食い違うこと。
または、前に言ったことと違うことを何食わぬ顔で平気で言うこと。
ということです。
一口両舌の使い方
一口両舌はどのような使い方をするのか、例文で見てみましょう。
例文①
明日の約束は予定通りだよね
え?約束したつもりはないけど
断らなかったじゃない
「それは楽しそうだね」とは言ったけど約束したわけじゃない
そんな一口両舌は信用失くすわよ
例文②
今日は分刻みのスケジュールですごく疲れたよ
それはお疲れ様でした
そう言えば、○○社の近くで素敵なカフェを見つけたんだ
へえ、どんな感じ?
写真撮ってきたから見せるよ
たしかに素敵だけど、分刻みのスケジュールだったわりには優雅なティータイムしてるね
ちょっと立ち寄っただけだよ
その割に写真がいっぱい。
一口両舌だからまともに聞いてられないわ。
一口両舌の類義語
一口両舌と似ている意味の言葉を集めてみました。
二枚舌を使う
「二枚舌を使う」は、一口両舌と同じ意味の言葉として、よく使われています。
二枚の舌があるように、違うことを平気で言う様子を表す言葉です。
「あの人は二枚舌を使うから、油断できない」など、日常的に使いやすい言葉です。
一口両舌と同じ意味ですが、会話の中に溶け込みやすいので、使いやすいのではないでしょうか。
一口三舌
一口三舌とは、一口両舌よりもさらに上を表す言葉です。
同じ人の言葉なのに、コロコロと変わるので、まったく信用できないという様です。
また相手によって違うことを平気で言えるような人に対しても使います。
舌先三寸
舌先三寸は、一口両舌と同じ意味ではありません。
口先だけの言葉、うわべだけで中身のない言葉で相手を適当にあしらう様子を表すのが舌先三寸です。
ただ、うわべだけで中身のない話は、辻褄が合わなかったり、食い違うことも多いため、重なる部分がないわけではありません。
一口両舌になってしまう理由
一口両舌って、話が食い違うことなので良いことではありません。
「さっき言ってたことと違うけど?」と思わるのは、人としての信用を失いますから。
でも、故意ではなくそうなってしまう人もいます。
それは、話の組み立てが上手くできずに、時系列が前後してしまったり、関係ない内容が混ざってしまうことが原因です。
話している間に「さっきと違うよね」というような指摘を受けることがある人は、話の内容をシンプルにして、ゴチャゴチャにならないように心がけると良いでしょう。
話したいこと、言いたいこと、伝えたいことを一気に話そうとすると、混乱しやすいので、伝えたいことを絞ってシンプルに話すのがポイントだと思います。
まとめ
一口両舌は二枚舌を使うことと同じでした。
会話の中ではあまり使わないかも知れませんが、文章で表現する時などには文字のインパクトがあるので伝わりやすいのではないでしょうか。
一口両舌にならないように、自分の言葉にも気を付けたいと思いました。