忖度(そんたく)は、今まで一度も聞いたこともなければ使ったこともなかったのに、急に使い始めた人も多いのではないでしょうか。
何を隠そう私もその一人です。
ずっと日本で生活している日本人ですが、忖度なんて今まで聞いたこともありませんでした。
2017年の流行語になったほど、今では誰しもが知る言葉になりましたが、忖度を英語に訳すのはかなり難しいようです。
忖度のように、日本語以外の言葉に訳すのが難しい言葉って他にも沢山あるのでしょうね。
そこで、この言葉って訳せるの?という視点から日本語を考えてみました。
忖度の意味とは
まずは今さらですが忖度についてもう一度振り返ってみます。
忖度の意味を調べてみると、
自分なりに考えて、他人の気持ちを押し測ることです。
誰に言われるでもなく、人の気持ちを考えて「こうすると喜ばれるかな」とか「こうすればきっと褒めてもらえるだろうな」と言われなくても先回りして行動することなどに使う言葉なんですね。
日本人は、人のことを考えて気を使うことが多いので、忖度という言葉が当てはまることは日常的にあると思います。
忖度という言葉に対して、ぴったりと当てはまる英語がなかなか思い浮かばないことで、通訳が困っていた様子が話題になりました。
その時、忖度するって日本人ならではのことなんだなぁって思い知ったわけです。
忖度と同じような使い方をするのが、
・推察
・察する
・見当
・想像
このような言葉です。
忖度よりも馴染みがあり、普通に使う言葉です。
忖度を英訳するとなると、推測→conjectureとか察する→presumeというのでしょうか。
英訳が難しい日本語
日本語を英語に訳す時に、私はGoogle翻訳を使っています。
Google翻訳のようなアプリがもっと前からあれば、海外旅行に行って困った時にも助けられただろうに・・と思いますね。
横道に逸れましたが、Google先生のチカラをかりて、英語に訳すのが難しいと思う日本語を片っ端から訳してみました。
世間体なんてどうだろう。
訳してみると、Public body と出てきました。
公的な体となってしまいますね。
世間体をやたら気にする日本だからこそ生まれた言葉なんでしょうね。
はっきり意見を主張しない人が多いので、日本語には曖昧なことを示す言葉が沢山あります。
曖昧→ambiguous、vague
では、どっちつかずではどうでしょう。
どっちつかず→gray area
グレーゾーンに似ていますよね。
他にも日本語にははっきりしないことを示す言葉が山ほどあります。
あやふやとか、紛らわしいとか、不透明とか、漠然とか。
同じような意味なのに、微妙なニュアンスで使い分けているので、訳すのが難しいのでしょうね。
最後に気になった言葉を訳してみました。
私は地味な性格だと人によく言われるのですが、地味を英訳するとPlainとかSimpleになりました。
プレーンな性格?シンプルな性格?なんかしっくりしません。
地味というのは、目立たないこと、人目を引くことがない、興味を持たれないという意味で使われるので、やはり訳すと伝わり方もかなり変わるんですよね。
忖度は日本人らしさの表れ
忖度するという言葉が盛んに世の中で使われるきっかけになったのが、税金の使われ方の問題など政治絡みの疑惑だったこともあり、ネガティブな言葉のイメージがすっかりついてしまいました。
ですが、「忖度する」のは相手の気持ちを考えた上ですることです。
「きっと助かるのではないだろうか」
「言わない方が良いのではないだろうか」
このような気持ちが働いてすることが「忖度」なので、とても思いやりにあふれたことでもあるのです。
あくまでも相手の気持ちを考えてすることなので、自分の立場を守るためとか、自分のメリットのためにするのは忖度ではないので、その違いを理解しておきたいですね。
まとめ
英語が苦手なので日本語くらいは正しく使いたいと思っています。
英訳するを考えて日本語を調べてみると、1つの意味が様々な言葉に変わっていくことがわかります。
また今日も、日本語の難しさを感じました。