食品が次々に値上げされるし、消費税も上がるし・・。
食卓を直撃するので困りますね。
生きるためには食べないわけにもいかないので、できるだけ安くて品質の良いものを探すのも大切なことです。
そこで目にすることは多い国産牛と和牛についての疑問を調べてみました。
スーパーで買い物する機会が少ない人は、精肉コーナーに並ぶ牛肉にオーストラリアやアメリカなどの輸入肉じゃなければ、それは和牛だと思っている人が多いようです。
国産牛と書かれている牛肉も和牛と同じだと思ってしまうのでしょう。
和牛と国産牛の違いについて解説します。
和牛とは
和牛と言えば、松坂牛や神戸牛などの黒毛の牛をイメージすると思います。
松坂牛や神戸牛は黒毛和牛という種で、たしかに和牛の一種です。
和牛というのは、もともと日本古来からいた在来種の牛に、海外から輸入された牛を交配させて品種改良した4種類の牛のことです。
和牛と認められていて、食用として流通できるのは、黒毛和牛の他には、褐毛和牛、無角和牛、日本短角種の4つしかありません。
この4つの種の牛肉以外は、和牛と名乗ってはいけないのです。
日本の和牛の品種が海外に出てしまうのを防ぐために、厳しい規制があります。
高い品質を守るためには、飼育方法にも気を配らなければいけないので、簡単に大量生産できるような状態にしてはいけないのでしょう。
ブランド牛としての価値が守られているのです。
国産牛とは
国産牛は、和牛として認められている種以外の食用の牛肉の総称です。
和牛と比べて価格が安いので、国産牛も人気があります。
ブランド牛ほどではないとしても、食べやすいのが国産牛の魅力です。
赤身が多く、弾力の強い輸入牛と比べて柔らかいし、品質も安心感があるからでしょう。
国産牛になるのは、例えば乳牛用のホルスタインの雄などです。
食用として育てられていないから、和牛に比べて味は落ちると思われがちですが、赤身の多い輸入肉よりも日本人の口に合うので、気軽に食べられる国産牛は庶民にはありがたいものなんですね。
輸入牛も国産牛になる?
国産牛の中には、じつは輸入牛も混ざっていることがあります。
国産牛として認められるのは、日本国内で三か月以上飼育されていればOKなのです。
これは食品の関する規制にはよくあることです。
たとえば、海外で養殖されたウナギでも、日本国内のウナギの名産地に運ばれて短期間でも国内で飼育されていれば国産ウナギとして販売できるのです。
そういうからくりもあるので、国産牛だから全て国内で生まれて育った牛の肉とは限らないのです。
その土地で一定期間飼育されると、原産地が海外でも国内産として表記できるので、国産にこだわるのなら、原産国までさかのぼらないと安心はできないわけです。
日本で牛肉が食べられるようになった歴史
日本では、牛乳を飲むこともなく、牛肉を食べる食文化もありませんでした。
ごく一部の大名たちは、栄養豊富な食べ物として牛肉を食べていたようですが、庶民の間でも牛肉を食べるようになったのは明治になってからのことです。
とはいえ、高価なものだったので、庶民が気安く食べられるものではなかったようですが・・。
もともと日本での肉食文化は鳥肉、猪や鹿などの獣肉でした。
馬肉を食べる地域もあったようですが、牛や馬は農耕に必要なので大切な財産だったのです。
荷物や人を運ぶための物流のためにも必要だったので、農業をしている人はとくに牛や馬を食べるなんて考えられなかったのです。
しかし、江戸時代後期の黒船来航以降は、外国人をもてなすことが求められたため、牛肉を食べる文化が広まっていきます。
食肉のための畜産や牛乳のための酪農は、欧米諸国からの文化が入ることで需要が高まっていったのでしょう。
まとめ
和牛と呼べるのは、和牛として認められた品種だけなので、それ以外はみんな国産牛というわけです。
国産牛の中には、「これ輸入牛じゃない?」と思うほどしっかりした噛み応えのある肉もあるので、和牛との差が大きいものもあります。
価格重視なのか、味で選ぶのか、それはお財布事情で考えましょう。