【かまとと】とはどんな意味なの?語源はどこから?

ことばの雑学

「かまとと」という表現は、最近はあまり使われなくなっています。

「かまとと」の意味がすぐにわかるのは昭和生まれ、もしくは平成前半生まれまでがギリではないかと思います。

滅多に聞かなくなった言葉ですが、死語として消えてしまう前に、意味や語源について調べることにします。

「かまとと」という言葉をはじめて知った世代の方も、ぜひ一緒にチェックしてみましょう。

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「かまとと」の意味とは

「かまとと」とは、女性に対して使う言葉として広まっています。

どのような女性に対して使うのかというと、わかっているはずなのに、知らないふりをする人です。

もう少し具体的に説明すると、初(うぶ)なフリを装うために、知っているのに知らないという女の人のことです。

なぜ知っていることをわざわざ知らないふりをしてまで初(うぶ)に見られようとするのか・・・。

ココがポイントなのでしょう。

恋愛に関すること、いわゆる男女の関係について知らないふりをすることが「かまとと」なのです。

なので、使い方としては「かまととぶる」となります。

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「かまとと」の語源とは

「かまとと」は漢字で書くと「蒲魚」です。

当て字ですが、文字を見れば語源が想像しやすいと思います。

「かまとと」の語源は、蒲鉾(かまぼこ)の材料が魚(とと)なのは誰でも知っていることなのに、知らないふりをすることからです。

由来には諸説ありますが、ある女性がかまぼこの材料が魚だと初めて知ったというふりをしたことからだと言われていますが、定かではありません。

「かまとと」と「ぶりっこ」

「あの子、かまととぶってるわね」なんて表現もあまり聞かなくなっていますが、同じような意味の「ぶりっこ」もすっかり聞かなくなりました。

「ぶりっこ」は1970年代後半から1980年代前半に流行した言葉です。

可愛くてうぶな女の子のフリをするという意味で「ぶりっこ」と盛んに使われていました。

今では「かまとと」も「ぶりっこ」も、どちらも耳にする機会はめっきり減りました。

その理由ははっきりわかりませんが、単なる流行語として消えたのかも知れません。

そして、女性がわざわざ知らないふりをして初(うぶ)を装う必要を感じなくなっている時代背景も影響しているのではないでしょうか。

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「かまとと」を言い換える

「かまとと」は女性のことを指す言葉なので、今の世の中では使いにくいと思います。

そこで、知っているのに知らないふりをするという意味の言葉に言い換えてみました。

「白白しい」や「空空しい」であれば、女性に限定せずに使えます。

「白白しい」も「空空しい」も、どちらも知っているのに知らないふりをすることです。

「とぼける」も同じですね。

女性とか男性に関係なく使える言葉ですし、用途が限られないので使いやすいのではないでしょうか。

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まとめ

「かまとと」は「ぶりっこ」と同じように、ある時代に生まれた流行語のような言葉だと考えられます。

時代に合わなくなれば、使われなくなるので、ほんとうに近い将来は消えてしまうかも知れませんね。

毎年、沢山の流行語が生まれますが、その中で何十年も使い続けられて残る言葉はごくわずかでしょう。

「かまとと」を流行語として考えると、かなり長く残った言葉なのではないでしょうか。