相手にしないことを「鼻にもかけない」と言うことがあります。
一般的な慣用句として使われているのですが、この「鼻にもかけない」は間違いだったのです。
「鼻にもかけない」なんて慣用句は存在しないんですって。
知らず知らずのうちに、存在しない慣用句が定着してしまったんですね。
なぜ存在しない慣用句が使われるようになったのか、そのわけを調べてみました。
鼻にもかけないの正解は
「鼻にもかけない」は、相手にしていないこと、まったく気にも留めないことを表現していると思われています。
でも存在しない間違い表現でした。
相手にしないことを表現する慣用句として「鼻」が使われるのは・・、
「鼻であしらう」
「鼻で笑う」
このような慣用句が存在します。
「鼻にもかけない」は「鼻にかける」という自慢する時に使う慣用句と「洟も引っかけない」という慣用句がゴチャゴチャになって間違ってしまったのです。
洟も引っかけないとは?
「洟も引っかけない」は、間違って使われている「鼻にもかけない」の正しい慣用句です。
鼻と洟は同じ「はな」と読みますが、鼻は顔のパーツであり、洟はいわゆる鼻水のことです。
「洟も引っかけない」とは、完全に無視して、その存在すら認めないような状態のことを表現しています。
なぜ鼻水を引っかけないことが相手にしていないことなのか、意味がよくわからないですね。
いつの間にか、洟が鼻に混同されて、「引っかけない」が「かけない」になってしまって、「鼻にもかけない」という存在しない慣用句が生まれてしまったようです。
鼻を使った慣用句やことわざは多い
「洟も引っかけない」が「鼻にもかけない」になってしまった理由を考えてみると、慣用句やことわざには「鼻」を使ったものが沢山あるからではないか?と思うようになりました。
「鼻をつき合わせる」
「鼻であしらう」
「鼻で笑う」
「鼻っ柱が強い」
「鼻っ柱を折る」
「鼻面を取って引き回す」
「鼻にかける」
「鼻に付く」
「鼻の下が長い」
「鼻の下が干上がる」
「鼻の下を長くする」
「鼻もちならぬ」
「鼻を明かす」
「鼻を蠢かす」
「鼻を折る」
「鼻を欠く」
「鼻を高くする」
「鼻を突く」
「鼻を鳴らす」
ざっとあげてみても、こんなに沢山の慣用句やことわざがあるのです。
これだけあると、間違えてしまうのもわかるような気がします。
まとめ
日本語は間違えやすい表現が多いので、いつの間にか意味を間違って使っているとか、いくつもの慣用句が混ざり合ってしまうこともあるのですよね。
「鼻にもかけない」が「洟も引っかけない」が正解だったとは・・。
参考にしていただけると嬉しいです。